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悩んだ末に選手からマネジャーへ 長崎日大・三笘君の決断

2023年3月3日10時00分

朝日新聞DIGITAL

 三笘倫太朗君(2年)が長崎日大(長崎県諫早市)のマネジャーになったのは2週間ほど前のことだ。「最後まで選手でいたい気持ちはあった。でも自分がやるしかないと決断しました」と話す。

 他の多くの学校と違い、女子マネジャーはいない。毎年、新チーム発足時に2年生で話し合い、ふさわしい1人を選ぶのが慣例だ。だが、マネジャーになることは選手をやめること。なかなか決まらず、主将の平尾大和君(2年)が兼任したまま年を越してしまった。

 平山清一郎監督によると、マネジャー選びに指導者が介入することはないという。互いに本音で話し合い、決めてもらいたいからだ。「誰も首を縦に振ってくれず、平尾本人もしんどかったと思います。でも自主性に任せるスタイルを通したかったので、せかすことはしませんでした」

 三笘君はずっと迷っていた。小学3年でソフトボールを始め、中学、高校と野球に明け暮れてきた。昨秋の県大会はベンチ入り。宿敵・海星を破って念願の優勝旗を手にした瞬間を仲間と喜び合った。

 一方で中学の頃から腰の痛みを抱えていた。高校に進学してひどくなった。病院に行くと腰椎(ようつい)分離症と診断された。部活を休んで治療に努めたが、全快しなかった。「もともと体が強くなくて、ひじや肩も痛めたりした。休んだり、復帰したりの繰り返しでした」と振り返る。

 選抜大会が近づく中、リーダーの重責を担う平尾君にこのまま裏方の仕事を任せるわけにはいかない。みんなともう一度話し合い、「僕がやります」と監督に伝えた。

 たった1人しかいないマネジャーは「チームの核」だ。日々の練習では真っ先にグラウンドに駆けつけ、整備の指揮をとる。個々の選手の練習メニューを管理し、トス打撃の球を放り、ノックを打つ。チームが抱える課題をめぐり、指導者とのパイプ役もこなす。

 「なったばかりで自分のことで精いっぱい。周りがみえず、人を動かすのが大変」と三笘君。チームのことを「よく笑って仲がいい。でもメリハリもあってやるときはやる。秋よりも状態は確実に良くなっている」と話す。

 夢にまで見た甲子園。記録員として入るベンチから苦楽をともにした仲間たちと「まずは1勝」をめざす。(三沢敦)

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