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女子野球「当たり前の競技・文化に」 会長がめざすビジョンとは

2023年3月10日17時00分

朝日新聞DIGITAL

 昨夏は阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で選手権大会の決勝が開かれた女子高校野球。競技人口も増えるなど、裾野は広がっている。昨シーズンは、国内17球場が全国大会の舞台となった。

 ただ、一部の球場を除いて、設備には課題があるのが現状だ。

 全日本女子野球連盟の山田博子会長(51)は「野球場はやはり、女性がプレーするという想定でつくられてはいません」と指摘する。

■トイレ、更衣室… 球場設備に課題

 「ベンチ裏に女性用のトイレはなし。更衣室も同じです。もともと男女別のトイレが備わっていても入り口は一緒だったりして、鉢合わせするのを気にする選手もいます」

 「自治体や球場の指定管理者と地道な交渉を続けています。予算が絡むので難しい面がありますが、少しずつ理解も進んでいます」

 「球場に限らず、キャンプ場だってトイレがきれいな施設には人が集まりますよね。子どもがいる母親の心理もそう。自治体側も同じ感覚をもっていると思うので、『改修するなら、こういう風にしてください』と交渉しています」

 女子高校野球を含めた女子野球を活用し、地域の活性化につなげてもらおうと、連盟は「女子野球タウン」事業を2020年から始めた。

 「連盟にとっては競技の普及に、自治体にとっては地域のプロモーションに女子野球を活用できるメリットがあります」

 「認定第1号となった埼玉県加須(かぞ)市、松山市、佐賀県嬉野(うれしの)市など自治体数は13を数え、野球教室を開いたり、大会を誘致したりする際には協力しています。クラブチーム誘致のほか、選手の移住を積極的に進めている自治体もあります」

 「認定自治体の一つ、広島県廿日市市は市内にある県立佐伯高校を支援しています」

「佐伯高校は生徒数が100人に満たない(昨年4月現在)山間部の学校。進学希望者を増やそうと、15年に女子野球部を立ち上げたところ、県外出身者が受験するなどして話題となりました。市職員も練習を手伝うなど地域ぐるみで取り組んでくれています」

■審判員・指導者育成に力点

 「女子野球を当たり前の競技・文化にする」が、連盟の掲げる最大のミッションになっている。

 「競技人口やチーム数の拡大に伴い、球場設備などのハード面だけでなく、女性選手向けの指導者育成や審判員の拡充などソフトの面でも女子野球全体の環境を向上していく必要があります」

「広報、宣伝活動も課題です。23年度は企業と提携し、より多くの人たちにアプローチしていく予定です」

 「お父さん、私が甲子園に連れてってあげるから。僕のお母さん、甲子園の優勝ピッチャーなんだよね――。将来的にはそんな会話が普通に交わされる世界をつくっていきたいですね」(聞き手・豊岡亮)

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