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「一緒にやろう」から始まった女子高校野球 四半世紀の歩みと未来

2023年3月8日17時00分

朝日新聞DIGITAL

 女子高校野球の世界が全国に広がっています。選手らがSNSで積極的に発信するなど、自主性と楽しむことを大切にしています。四半世紀に及ぶ歩みと現在地、将来への展望について、全日本女子野球連盟の山田博子会長(51)に聞きました。

 2022年8月2日。第26回全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝で、横浜隼人(神奈川)が延長10回タイブレークの末、開志学園(新潟)を破って初優勝した。

 舞台は高校野球の聖地・阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)。甲子園での決勝開催は2年連続で、コロナ下だった21年と異なり、初の有観客試合となった。

 「1997年に第1回大会を東京都福生(ふっさ)市で開いたときに、いつかは甲子園でやりたいとみんなが思っていました。本当に夢がかないました」

 「女子高校野球には全国大会が三つあります。関東で開かれる春の全国高校女子硬式野球選抜大会、東海である全国高校女子硬式野球ユース大会、そして夏の選手権大会。もちろんそれぞれ頂点をめざす場所ですが、『夏の甲子園』が国民的行事であるのは間違いありません。女子高校野球にとっても特別な場所であり、特別なものです」

 「女子のルールは国際ルールにほぼ準じています。7イニング制で指名打者制度を採用。ベンチ入りメンバーは男子の夏の選手権大会では18人(105回大会から20人)ですが、女子は25人。より多くの選手にプレーする機会を増やしたり不慮のけがに備えたりするためです」

■競技人口は7年で倍増

 女子野球全体の競技人口は18年に2千人を突破。高校生は15年の698人から、22年には1524人と倍増した。

 「高校の先生たちが走り回って、ソフトボールの選手らにも『硬式野球を一緒にやりませんか』と声を掛けてきた活動が少しずつ花開きました。10年に女子プロ野球が始まったのも、要因の一つです」

 「中でも大きかったのは小学生の軟式野球。全日本軟式野球連盟が13年から、『NPBガールズトーナメント』を開催しました。この全国大会をきっかけに、小学生女子の競技人口が一気に増えました。16年からは中学生女子軟式の全国大会ができて、中学まで軟式でプレーした生徒が高校から硬式を始めてくれるようになりました」

 「選手や学校が自発的に普及のために活動してくれるのも大きい。全日本女子野球連盟では学校が許可すれば、選手がSNSを使って発信するのは原則自由です」

■「TikTok」駆使し フォロワー85万人

 高知中央高校(高知県)では、選手がユニホーム姿で踊り、動画アプリ「TikTok」に投稿。フォロワー数は当時85万人に達するなど選手自身が女子野球を広めようとする意識が高い。

 一方、全国高校女子硬式野球連盟の加盟校は23年2月現在、51校。受け皿づくりが急務だ。

 「加盟を予定している学校がある青森県と山梨県を除くと、秋田、富山、石川、滋賀、三重、奈良、和歌山、香川、徳島、鳥取、山口、佐賀、大分、長崎の14県は女子高校野球の空白地です。まずは全47都道府県に加盟校がそろうよう頑張りたい」

 「大会を見ていると、打力や走力が上がり、技術も向上しています。選手に負けないよう、女子高校野球を含めた女子野球全体の魅力をアピールするアイデアを出していかなければいけません」

 「女子野球を当たり前の文化に、というミッションを実現していきたい。より多くの人に知ってほしいので、周りで話題にしていただけたらうれしいです」(聞き手・豊岡亮)

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