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「日本一の主将に」 広陵4番の誓い、1人で育ててくれた母のために

2023年3月31日18時30分

朝日新聞DIGITAL

 (31日、第95回記念選抜高校野球大会準決勝 広島・広陵1―6山梨学院)

 憧れの甲子園で活躍する。幼い頃からのそんな目標は、自分のためだけではなかった。

 一回、広陵(広島)は1死一、三塁の好機。4番の小林隼翔(はやか)主将(3年)は5球目を振り抜き、右犠飛で幸先良く先行した。ベンチに戻る途中、応援席に向かって笑顔をつくった。活躍をみせたい相手がいたからだ。

 幼い頃から一人で育ててくれた母親の優さん(44)が応援に来ていた。ソフトボール経験がある優さんはキャッチボールの相手をしてくれ、技術的なアドバイスもくれた。父親がいなくても、寂しくはなかった。

 だからこそ、お金がかからない県立高に進学しようと思っていた。中学3年の頃、所属チームの監督から私立の広陵を勧められた。面会した広陵の中井哲之監督は言った。「野球はうまくなくて良い。お母さんに楽させてあげられる人間になれ」。注目してくれる別の高校はあったが、こんな風に自分を思ってくれる監督は初めてだった。「広陵で日本一になる」。それが親子の目標になった。

 1年秋からベンチ入りし、昨秋から主将になった。今大会では17打数8安打5打点、遊撃の守備でも再三の難しいゴロをさばいた。名実ともにチームを引っ張った。

 敗戦後、目を腫らす仲間の先頭に立ち、応援席にあいさつに向かった。「もう一回り成長し、日本一の主将になる姿を母に見てほしい」。その言葉に、夏への決意がにじんでいた。(福冨旅史)

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