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千葉の高校球児が2千人以上減少 変わる選択肢と変わらない思い

2023年2月28日11時00分

朝日新聞DIGITAL

 野球人口が減る中で、球児の選択はどう変わるのか。千葉県高校野球連盟の早川貴英会長(58)は「選手が考えていることを大事にする時代になった」と指摘する。15年前、母校の安房高校(館山市)で野球部の監督を務め、春の選抜大会に21世紀枠で出場した。今、県を代表する立場から高校野球をする生徒を増やす取り組みについて聞いた。(聞き手・宮坂奈津)

 ――県の登録選手は10年で2千人以上減りました。

 非常に危機感を持っている。人口減少に照らせばやむを得ないが、高校野球の魅力を発信して野球を選んでもらえる努力をしていかなければならない。

 ――登録選手が減り、連合チームが増えました。

 特に春と秋の大会で増えた。千葉県は八つあるブロックの中で結成することが基本だが、人数が少ないという理由でブロックを越えた連合も出てきた。長距離移動といった課題を含め、試合に出たい選手の希望をかなえる組み方が重要だ。

 ――この春から公立校で初の女子硬式野球部が創設されます。

 女子野球は高野連の組織内に位置づけられるわけではないが、裾野は広げていくべきだ。今の子どもたちが親世代になったとき、野球経験があれば子どもに「野球を始めてみる?」と声をかけやすくなるかもしれない。サッカーは女子チームの活動が盛んで、学ぶところが多い。

 ――軟式野球部は県内に8チームあります。

 公立高校の定員が減り、硬式と軟式の両方の部を作るのは厳しくなっている。20年ほど前は習志野や銚子商にもあったが、今はほぼ私立校だ。軟式は生涯スポーツでもあり、野球人口を増やすためにも必要だ。来年度は南関東大会と春季関東大会が千葉で開催予定なので盛り上げたい。

 ――中学校は部活動が外部移行化しつつあり、指導者の確保が課題です。

 高校野球の場合、監督になるために教員をめざす人がいる。だが、いずれ外部委託が議論され始めるかもしれない。野球部は練習時間が長いなどといったマイナスのイメージを払拭(ふっしょく)し、短時間で効率よく練習する方法や、子どもたちが力強く生きていくための人づくりが今の時代には求められていると思う。

 コロナ禍でできなかった指導者のための研修や講習会を今年度に再開し、選手のみならず指導者育成にも力を入れていく。

 ――日本高野連などが発表した「高校野球200年構想」から5年です。

 千葉県も未就学児などが対象の「キッズベースボールフェスティバル」を開き、初めて野球をする子どもに楽しいと思ってもらうきっかけづくりをしている。県大会は中学生以下が無料で入場できるので、じかに観戦して野球の面白さを肌で感じてほしい。野球は楽しいものだと思ってもらえることが一番大事だ。

 ――球児の選択を支えるために必要なことは。

 今はそれぞれの考えを尊重する時代。昔と同じ指導や慣習は通用しない。技術だけでなく、メンタル面のサポートもしなければならない。頭髪はチームによって様々な考えがあっていい。選手たちに「野球をやっていてよかった」「今後も野球に関わりたい」と思ってもらいたい。どんな選択をした選手に対しても、それは変わらない。

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