選抜開幕まで1カ月あまり 長崎日大、海星 気合十分
第95回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の開幕まで1カ月あまり。海星は10日、選手らが田上富久・長崎市長を表敬訪問し、意気込みを語った。長崎日大は8日、報道陣に練習を公開し、昨秋からの成長をアピールした。県史上初の2校同時出場に向け、ともに気合は十分だ。
■海星 粘り強さに、集中力養う
「甲子園の決勝で長崎日大と対戦できるよう頑張っていきたい」
10日午後、加藤慶二監督らと長崎市役所を訪れ、選抜出場を報告した主将の田川一心君(2年)はこう決意を語った。
昨秋の県大会で準優勝し、2位校として臨んだ九州大会で4強入りした。沖縄尚学にサヨナラ負けした準決勝を含む全3試合はすべて1点差。強豪を相手に「粘り強さ」が光った。
「強いですね。持っていますね」。田上市長に水を向けられた田川君。「どの試合も集中して戦えました」と振り返り、練習以外でも集中力を養うようチームで心がけていると明かした。
準決勝で敗退し、長崎日大との頂上決戦を逃したことが最大の心残り。「逃げ切れる」と思った一瞬の隙を沖縄尚学に突かれた。敗戦から浮かび上がった課題を一つ一つつぶす練習を重ねてきたという。
16強入りした昨夏の甲子園経験者が7人も残る。3回戦の近江戦では球場の雰囲気にのまれ、ミスを重ねる失敗も味わった。「甲子園に慣れているのはアドバンテージ。市民のために最高の成績を」。田上市長の熱いエールに「今度こそぶれない野球を」と誓った。(三沢敦)
■長崎日大 1球を大事に、練習励む
8日、諫早市にあるグラウンドで報道陣に練習を公開した長崎日大。選手たちは午後4時ごろから約3時間にわたり、たっぷりと汗を流した。
走り込みやキャッチボールで体を温めた後、ノックや打撃練習へ。「ヨーシ」「オー」。大きな声が絶え間なくグラウンドにこだまする。
「アップからキャプテンを中心に盛り上げてくれているので、いい雰囲気で練習ができている」。栗山由雅君(2年)が手応えを語った。
2年連続の選抜出場。だが、23年ぶりに出場した昨春は初戦で近江(滋賀)と激突し、延長十三回タイブレークの末に敗れた。先輩たちがあと一歩でつかみ損ねた「初戦突破」がチームの目標だ。
その試合に1年生ながらスタメン入りした主将の平尾大和君(2年)は「1球の怖さを感じた試合だった」と振り返る。九回の守備では2死一、二塁から同点打を許し、十回の攻撃は1死満塁の好機にあと1本が出なかった。
「全員が1球を大事にしようと心がけている。練習でも完璧を求め、ミスをゼロに近づけていきたい」。そう気を引き締めた。(岡田真実)