「指導者で甲子園に」 学生野球協会の優秀選手に鳥取商の久城さん
今年度の日本学生野球協会の優秀選手に、鳥取県内からは昨夏の甲子園に出場した鳥取商野球部の前主将、久城洸太さん(3年)が選ばれた。春から大学に進み野球を続けるという久城さんは「指導者の立場で甲子園に戻りたい」と話した。
幼いころから右足の指が曲がってしまう病気だったという久城さん。中学生のころは硬式野球チームで活躍したが、高校になると練習時間が増え、足の指が伸ばせないことからバランスがうまくとれず、ひじや腰に負担がかかっていたという。
昨夏の全国高校野球選手権の鳥取大会でチームは優勝したが、久城さんは故障で控えに回ることが多かった。甲子園では初戦で全国制覇を果たした仙台育英(宮城)と対戦して敗退。ただ甲子園を経験したことで、「将来は野球を教えたい。指導者の立場で、もう一度甲子園に戻ってきたい」と思うようになったという。
昨秋、手術をして足を治すことを決心した。春から進学する関西福祉大(兵庫)で大学野球をするためだ。
1月中旬に手術を受け、30日に米子市内であった表彰式には、松葉杖をついて出席した。記念の盾を手渡した県高野連の田辺洋範会長は「これからもこの表彰を糧にがんばってください」と激励。久城さんは「いままで野球を続けてきてよかった。僕一人で取った賞ではない。お世話になった人に感謝したい」と喜んだ。
「大学では体育の教員になるために学び、大学野球を経験して指導者に向けて歩んでいきたい。選手に寄り添える指導者になりたい」(渡辺翔太郎)