選抜4年ぶり県勢出場ならず 夏に向け飛躍誓う高田商
第95回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場校を決める選考委員会が27日にあった。昨秋の近畿大会8強の高田商(大和高田市)は、近畿の最終7枠目を争ったが6年ぶりの出場はならず、補欠に回った。奈良県勢は4年ぶりに出場なしとなった。
近畿の代表7校目に社(やしろ、兵庫)の名が読み上げられると、高田商の山下善啓校長はうなだれた。プロ野球DeNAの三浦大輔監督の恩師である山下校長はしばらく無念をかみしめたあと、野球部の生徒たちが待つ体育館へ向かった。
待ちに待った校長先生の顔に笑みがない。生徒らも一瞬で察したのだろう。「落選」の報告を静かに受け止めた。山下校長は最後に「夏に甲子園へ連れていってくれ」と話した。
高田商にとって「7枠目」は吉兆だった。前回、2017年に選抜大会に出た際は履正社(大阪)が前年秋の明治神宮大会で優勝し、近畿の出場枠が1増。そこに滑り込んだ。今回も大阪桐蔭の優勝による7枠目を狙った。昨秋の近畿8強に奈良は1校。地域性からは選ばれてもおかしくなかったが、届かなかった。
躍動感のあるプレーでチームを引っ張ってきた東口虎雅(たいが)選手(2年)は「夏にやったります。奈良県で優勝して甲子園でホームランを打って、ダッシュで一周します。15秒ぐらいで」と言って、大笑いした。(篠原大輔)