沖縄尚学、逆転サヨナラ負けの雪辱誓う「仙台育英にリベンジしたい」
出場決定の喜びより、リベンジに燃える闘志が伝わってきた。
昨秋の九州大会で優勝した沖縄尚学。9年ぶり7回目の選抜出場はほぼ確定的だった。校舎の5階にある講堂で、野球部員や学校関係者は選考委員会の中継を落ち着いて見守った。
代表校決定の発表があると、比嘉公也監督があいさつに立った。口をついたのは喜びよりも反省だった。「(昨秋の)明治神宮大会で悔しい負けをした。どう考えても勝ちゲームだった。改めて一球の重みを生徒と共有している」
明治神宮大会の1回戦で昨夏全国優勝の仙台育英と対戦。八回まで4―0とリードしながら、九回裏に5長短打に失策も絡んで一挙に5点を奪われて、逆転サヨナラ負けしたからだ。
このとき、好投しながら最後に打たれたエースの東恩納蒼(ひがしおんなあおい)は「一球の重みを実感した。(練習では)一球一球丁寧に投げることを心掛けている。仙台育英にリベンジしたい」と選抜での再戦を熱望する。
実は、比嘉監督は昨秋の九州大会で優勝して明治神宮大会初戦で仙台育英と対戦することが決まったとき、「コールド負けしないようにしないと」と冗談交じりに話していた。
しかし、実際は土壇場まで全国王者を追い詰めた。負けはしたが、この試合で全国の強豪校とも互角に戦えるという手応えも得ている。だから、こうも話す。
「生徒たちも全国制覇を目標にしていると思うので、私自身も目指して(開幕までの)残りの時間を過ごしたい」
自身が1999年に沖縄尚学選抜初優勝のときのエースであり、2008年には監督として、エース東浜巨(なお)(現ソフトバンク)を擁して2度目の選抜優勝を果たした比嘉監督の言葉は決して軽くない。(酒瀬川亮介)