監督は夜行で1人甲子園を見に行った 石橋、候補3度目で選抜つかむ
第95回記念選抜高校野球大会で、21世紀枠の関東・東京地区の候補校に選ばれるのは3度目になる。石橋(栃木)に、ようやく吉報が届いた。
石橋の福田博之監督(57)は「(発表中継の動画で)校名の字幕が出たときには、こらえきれずに涙が浮かんできた。前回、前々回の先輩たちが築いてくれたことが非常に大きいと思う」と語った。
石橋は1935年創部の県立の伝統校。昨年秋の栃木県大会でベスト4など好成績を残しながら、2016年の選手権で全国制覇した作新学院など私学が優勢な県内にあって、これまで春夏とも甲子園には手が届かなかった。
■高校野球の指導者になって30年以上
福田監督は、母校の真岡(栃木)を率いた03年を含めて、4度目の関東・東京地区の候補校選出だった。自身は中学と大学でプレーしたが、高校時代は「自分に自信が持てなかった」と野球から遠ざかった。
それだけに、高校時代に野球をやっておけばよかったという思いは強く、甲子園への情熱は人一倍だ。夏の全国大会開催中、「選手たちとめざす場所の確認」として、1人で夜行バスに乗って甲子園に行くこともあった。
甲子園では「21世紀枠で選抜を逃した学校の思いを込めて試合をする。みんな素晴らしい学校だと思います」。
高校野球の指導者になって35年。ようやくつかんだ初の大舞台に臨む。(津布楽洋一)