落選した高田商「この経験がプラスになったと思えるように」夏へ決意
朗報は届かなかった。
第95回記念選抜高校野球大会の選考委員会が27日、あり、昨秋の近畿大会で8強に入った高田商(奈良)は選に漏れた。
近畿最終7枠目の争いで社(やしろ、兵庫)に敗れた。
インターネット中継で選考委員会の発表を聞いた山下善啓校長が、寒波と悪天候のため、体育館で練習していた部員のもとにやってきた。
「残念ながら本校は選出されませんでした」
整列した選手たちは表情を変えず、静かに聞いた。
赤坂誠治監督(46)は部員たちに諭した。
「受け入れてやるしかない。非常に残念な結果だったけど、夏優勝して、あの時にこういうことがあったからって言えるように」
体育館ではそのままミーティングが始まり、選手たちも次々に言葉を発した。
「この経験をできているのは高田商業だけ。夏に向けてこの経験を生かしていかな、意味なくなっていくと思う」
「夏の大会に向けて、誰も欠けることなく全員で、自信もっていけるように集中してやっていこう」
「積み上げてきたものがゼロになるわけじゃない。まず夏、優勝して甲子園出場。ぶれずに全員意識していこう」
2017年(第89回大会)以来4回目の選抜出場はかなわず、甲子園への夢は夏までお預けとなった。
主将の北嶋悠輝は報道陣の取材に力強く言った。
「奈良県でこういう経験しているのは僕たちだけだと思う。夏、この経験がプラスになってよかったなと思えるように、もう一回チームを一から作りなおしていきたい」(大坂尚子)