先生は日ハム球場アナウンサー 高校野球マネジャーがアナウンス研修
北海道旭川市の旭川工業高校で21日、野球部のマネジャーを対象にしたアナウンス研修会が開かれた。講師は北海道日本ハムファイターズの球場アナウンスを担当する南谷彩佳さん(34)。プロのテクニックや心構えを伝授した。
研修会は道高野連などでつくる道野球協議会が企画、主催した。
高校野球の公式戦では、出場校のマネジャーらが球場アナウンスを担当することが多い。先発出場の選手名や交代、守備位置変更などを正確に観客席に伝える責任の重い仕事だ。
この日は、今後、旭川地区でアナウンスを担当する予定の野球部マネジャー22人が参加した。
講師の南谷さんは大阪府出身。高校時代は野球部のマネジャーで、2015年からファイターズの場内アナウンスを務めている。試合アナウンスのほか、記者会見や球団イベントの司会もする。
「先攻、ファイターズ高校の先発選手は……」
南谷さんが実際に発声しながら講義は進んだ。先発メンバー表をよく見て、同姓の選手を把握する。打者を告知したら、常に次打者席をチェックし、選手交代に備える。選手交代は審判に念を押して確認するなどの基本を伝授した。
高校野球に多い複雑な守備変更や選手交代については「守備位置をきちんと追うのがコツ。小さな間違いなら、自信を持って言い直せばいい」と解説。「スタンドの歓声や音響を計算に入れ、口を大きく開け、腹式呼吸でしっかり声を出す。打順、守備位置、選手名の間には長めの間を置いてみましょう」とアドバイスした。
実技演習では、南谷さんの指示に合わせ、マネジャーたちが複雑な守備変更のアナウンスを体験した。
「ライト万波君に代わり、細川君が入り、ライト。サード野村君に代わり、伊藤君が入り、ピッチャー……」
旭川永嶺高校の佐藤碧泉(あおい)さん(1年)は昨年の公式戦でアナウンスを担当した。「講義を聴いて、自分は早口だったと気づきました。同姓の選手をフルネームで告知するときのルールも分かって勉強になりました。春の公式戦はもっと上手にやりたいです」と手応えを感じていた。(三木一哉)