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離島はハンディと感じない 奄美大島からホークスへ、大野稼頭央投手

2023年1月9日09時00分

朝日新聞DIGITAL

 「島から甲子園」の夢をかなえた野球少年が、憧れのプロ野球選手になる。福岡ソフトバンクホークスにドラフト4位で指名された鹿児島県・奄美大島の県立大島高校の大野稼頭央(かずお)さん(18)は、離島のハンディをあまり感じたことはないという。大好きな野球を職業にできる幸せをかみしめ、島の子どもたちに勇気を与える選手になりたいと目を輝かせる。(仙崎信一)

     ◇

 物心ついた時から周りは野球をしていて、自然と好きになりました。本格的に投手になったのは小学6年から。中学の時は小柄で真っすぐは遅かったんですが、変化球はよく曲がりました。スピードがない分、コントロールには自信がありました。

 《中学の最高成績は奄美群島の北大島大会ベスト4。飛躍のきっかけは2019年夏、地元龍郷(たつごう)町の選抜チームの一員として離島の中学生の野球大会「離島甲子園」への出場だった》

 初めての島外での試合で、大げさに言うと全国大会という思いで初戦から全力で向かっていきました。びっくりするぐらい捕手が構えたところにズバズバいって、目標のベスト4に入りました。

 《宿舎は大島高校でチームメートとなる奄美大島の別のチームと同じだった》

 高校の進路の話になると、みんな「大高(大島高校)に行く」って。自分は(島外の強豪)鹿児島実に行くつもりだったので迷い始めました。決めたのは、高校でバッテリーを組むことになる西田心太朗が「稼頭央とバッテリーを組んで、島の仲間と一緒に甲子園に行きたい」と言ってくれたこと。なんで悩んでいたんだろうと思うぐらい、悩みが一瞬で消えました。もし甲子園に行けなかったとしても、島のみんなと一緒に頑張ったほうが悔いは残らないと思いました。

 《高校入学後、球速は146キロに伸びた。21年秋の鹿児島県大会で初優勝。九州大会準優勝まで駆け上がり、翌春の選抜出場をつかんだ》

 甲子園はずっと憧れで目標にしていた舞台。仲間と「島から甲子園」を達成し、島でもやればできるというのを実感できました。

 鹿児島での大会には船で11時間移動するのが当たり前。練習試合も思うようにできません。でもずっと島に住んでいるので、ハンディだと感じたことはあまりありませんでした。

 島には強い私立高校もないし、野球能力が高い先輩たちは鹿児島の方で活躍するという流れがありました。自分たちは島でも力のある選手が集まればいいチームをつくれることを証明できたと思います。

 《躍動感ある投球フォームが特徴。ピンチになればなるほど力を発揮し、マウンドではほえる姿も見せる。苦しい時ほど楽しむことを心がけた》

 高校時代は走り込みを中心に、自分が一番投げやすい体づくりをめざしていました。ピッチングでは体全体を使い、むちのようにしならせてボールに力を伝えることを意識しました。

 マウンドに立つと自然とスイッチが入り、ピンチの時は「緊張感をどれだけ楽しめるか」と思うようにしています。中学生の時、コーチから「気持ちで負けたら絶対打たれる」と言われたことを心に刻んでいます。「相手に気持ちで勝て」と思ってマウンドに上がっています。

 離島甲子園の時にあった野球教室で、(提唱者の)村田兆治さんから「ピッチャーをするからには自信をもってマウンドに上がれ」と言われたのは、今でもはっきりと覚えています。

 《選抜大会は初戦で明秀日立(茨城)に0―8で敗れた。夏は鹿児島大会準優勝で、甲子園にあと一歩届かなかった》

 甲子園では気持ちが浮いてしまって。もう少し落ち着いて投げられればよかったと悔いが残っています。夏は周りから「よくやった」と言われましたが、やっぱり悔しい。それでも高校の3年間は宝物。島の仲間と野球を通して一つの目標に向かっていけたのは一番の思い出だし、これからの人生に生きてくると思います。

 《ソフトバンクホークスからドラフト4位で指名され、23年からプロ野球の第一歩を踏み出す》

 ちっちゃいときから憧れてきたのでうれしかったです。野球をしているときが一番幸せなので。島からでも目標をしっかり定めて頑張れば夢はかなえられた。もっともっと名を広めて、離島の子どもたちに勇気を与えられる選手になりたい。

 まず1軍で活躍できる体づくりを徹底してやっていくのが1年目の目標。2、3年目から1軍で先発ローテーションに入るのが次の目標です。スタミナには自信があるので、そういった部分もアピールしたい。目標の選手は和田毅投手。将来は球界を代表するサウスポーになって、ホークスの左のエースとして最多勝のタイトルをとりたい。

 ■大野稼頭央さんの足跡

2004年 鹿児島県・奄美大島の龍郷町で3人兄弟の長男として生まれる。父がファンだった松井稼頭央選手(現・埼玉西武ライオンズ監督)が名前の由来。

2011年 小学校入学。3年の時に軟式野球を始め、4年から投手に。

2017年 龍南中学校に入学。投手として活躍したが県大会には進めなかった。

2019年 長崎県対馬市で開かれた中学生野球大会「離島甲子園」に出場。龍郷選抜のエースとしてベスト4入りに貢献。

2020年 大島高校に入学。

2021年 夏の鹿児島大会でベスト8、秋の県大会で離島勢として初優勝。九州大会で準優勝した。

2022年3月 大島高校としては2度目の選抜大会出場。一般枠での出場は初めて。初戦で関東王者の明秀日立(茨城)に0―8で敗れる。

 7月 夏の鹿児島大会決勝で鹿児島実に敗れ、準優勝。

 10月 プロ野球ドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスから4位指名。背番号は60。

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