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「三刀流」をめざす夏16強の都立校 斎藤佑樹さん「すごく共感」

2022年12月21日07時30分

朝日新聞DIGITAL

 ■斎藤佑樹「未来へのメッセージ」東京・葛飾野へ

 文武両道という言葉はよく聞きます。東京都葛飾区にある都立葛飾野高は勉強と野球に「私生活」を加えた「三刀流」をめざしているそうです。

 私生活とは何をさすのでしょう。とても気になりました。

 学校は住宅街に所在していますが、校庭は23区内の都立高校で一番広いそうで、左翼90メートル、中堅104メートル、右翼109メートルの距離がとれます。さらにブルペンは5人が一度に投げられる規模で、打撃マシンも3台。

 部員は39人。元気な声が広いグラウンドの外まで響き、練習にはピリッとした緊張感が漂っていました。

 「都立(公立)の野球部は私立ほど厳しくないのではないか」

 学校を訪ねるまで、そんな先入観を抱いていたことが恥ずかしくなりました。練習の雰囲気や質は、僕らの時の早稲田実と変わりないように見えました。

 葛飾野は、今夏の東東京大会4回戦で強豪私立・修徳を破って16強まで進みました。実際の練習を見ると、偶然ではなかったことが分かります。

 プロ選手も輩出しており、昨秋のドラフト会議で中日から1位指名された上武大のブライト健太外野手は卒業生です。

 才野秀樹監督(54)は三刀流をチームづくりの根底に据えてきたそうです。

 勉強と野球に加えた「私生活」の意味について尋ねると、「嫌なことから逃げ出さないこと」と返ってきました。

 「野球は人間性が素直にグラウンドで出るスポーツです。厳しい場面になればなるほど、人間性が試される。そこで自分の力を発揮するためには、ふだんの生活から我慢するところは我慢し、嫌なことにも向き合うことが大切になってくると思うんです」

 この言葉にすごく共感しました。

 大好きな野球をやるため、僕も小さいころから苦手だった勉強にも取り組みました。

 僕の場合は「文武」でしたが、自分が決して好きではない勉強に取り組んだ経験は、その後、壁に当たったり、問題が起きたりした時に解決する力をつけてくれたと思っています。

 嫌なことに向き合うことによって、人生は豊かになると思っています。

 ちなみに、エースの明石柚希選手は親の手伝いを頑張っているそうです。

 選手たちが、野球や私生活のことで日誌をつけているという点にも共感を覚えました。

 僕も高校のころから、気になったことをノートに書く習慣があります。

 投球のことや練習内容など、自分の頭の中が、考えごとでいっぱいになったら、書き出すのです。すると、自分が何に悩んでいるのかがわかり、やるべきことが明確になります。

 例えば高2の冬、145キロを投げるためには、何をすればいいかを書き出してみました。その結果、フィールディングの練習は今、重点的にやる必要はない、といった取捨選択ができました。

 プロ時代も引退後も、この習慣は続けています。

 葛飾野は都立勢が成し遂げたことがない「甲子園で1勝」を目標に掲げます。

 倉持柊真(しゅうま)主将は「強い私立を倒して歴史を塗り替えたい」と言います。午後6時半に完全下校と練習時間は限られるなか、それを言い訳にせずに、帰宅後にジムに通ったり、早朝練習をしたりするなど工夫をしているそうです。

 野球人口が減り、高校では強豪とそうでない学校、部員の多い学校と少ない学校の二極化が進んでいるように感じています。

 葛飾野は、その二極のちょうど中間くらいにいる印象を受けました。

 そんな学校の頑張りは、高校野球界だけでなく、いろいろな人に好影響を与えてくれるはずです。

 すごく応援したくなるチームでした。(斎藤佑樹)

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