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「ここに甲子園があったから」 話題呼んだ宣誓文 横浜・玉城選手

2022年12月18日10時45分

朝日新聞DIGITAL

 【神奈川】第104回全国高校野球選手権大会が開幕した8月6日。県代表として出場した横浜の主将・玉城陽希(はるき)さん(3年)の選手宣誓が大きな話題となった。

 〈苦しい時期を乗り越えることができたのは、他でもない、ここに甲子園があったからです〉

 入学以来、常にコロナ禍の影響を受けてきた多くの高校球児の気持ちを代弁している言葉だろう。その日の夕刊やニュース番組で取り上げられた印象的な宣誓は、監督との会話から生まれたのだという。

 開会式の3日前。大会の組み合わせ抽選会で、玉城さんは迷いなく選手宣誓に名乗りを上げた。主将を務めた小中学校でも未経験だったが、「横浜の看板を背負っているからには立候補する以外の選択肢はない」と考えてのことだった。全14人でくじを引き、「当選」の2文字が書かれた紙を引き当てた。

 大役が決まって、すぐに内容を考え始めたという。開会式までは3日しかない。移動中、スマートフォンのメモに盛り込みたい言葉を書き連ねた。

 抽選会の夜、村田浩明監督(36)やコーチらと、内容について話し合った。監督との会話の中で「甲子園のおかげで頑張れたよね」という話題になった。

 強豪チームを引っ張る重責や試合に勝てなかった時期、けが、そしてコロナ禍――。振り返ればつらいこともあった高校野球。でも甲子園が変わらずにあったから、目標を見失わずに努力を続けられた。そんな思いを村田監督と共有した。

 内容が固まったのは開会式2日前。原稿を読み込み、食事やミーティングの際にはチームメートを前に練習した。

 開会式の行進を終え、左足から台に上がった。観客の視線が一気に集まる。カメラのシャッター音が耳に入ってくる。まるで打席に立っているかのような緊張感。しかし一言ひとこと、かみ締めるように言葉を紡いだ。村田監督は一塁側のスタンドの端で見守った。

 甲子園では1回戦で三重に接戦で勝ったが、聖光学院(福島)に1点差で惜敗した。「後悔はないけど、ふがいない、悔しい経験」。卒業後も続ける野球で、この思いをぶつける。

 進む先は、村田監督の母校であり、昨年の主将の安達大和さんや延末勧太さんがいる日本体育大学。プロを目指しながら、教員免許取得し、将来的には野球の指導者も視野に入れる。

 「あの景色は行った人にしか分からない。自分を奮い立たせる、努力の源になった」と甲子園での経験を振り返る。「今後、出場したことが逆にプレッシャーになるかもしれない」と語りつつ、目標だった場所は、今では次のステップへの原動力にもなっているのだろう。

 玉城さんの背中を見てきた後輩たちは今、選抜大会出場の吉報を待ちながら、練習に励んでいる。エースの杉山遥希投手(2年)は「全員で引っ張っていくチーム」を掲げ、緒方漣主将(2年)は「3年生のチーム力を継承していきたい」と語る。

 2年連続で夏の夢の舞台に出場した横浜。次なる高みのため、夏を駆け抜けた球児たちは新たな道を進み始めている。(土居恭子、原晟也)

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