仙台育英が越えた白河の関跡訪問 小学生とも交流
今夏の第104回全国高校野球選手権大会で、東北勢初の全国制覇を達成し、深紅の大優勝旗の「白河の関越え」を果たした仙台育英(宮城)野球部の選手たちが3日、その白河の関があった福島県白河市を訪れた。
選手たちは、最初に白河の関跡を訪ねた。近くにある白河神社の氏子らで作る会が1997年夏から毎年、東北6県の甲子園出場校に「関越え」を祈念して通行手形を贈っている。今回はそのお礼を伝えるための訪問で、宮司らから話を聞き、参拝したという。
その後、選手たちは市立表郷中学校で野球教室に臨み、市内のスポーツ少年団に所属する小学生約100人とキャッチボールなどで交流した。打撃練習で、甲子園の決勝で七回裏に満塁本塁打を放った岩崎生弥選手(3年)らが鋭い打球を披露すると、小学生からは「すごい」「速い」など驚きの声が上がった。
仙台育英の須江航監督は小学生たちに「小さな目標を積み重ねることで、大きなことを成し遂げられる。目標を立てて、進んでほしい」と呼びかけた。
主将だった佐藤悠斗選手(3年)は「小学生と接して、野球を楽しむ心を思い出した」と話し、「仙台育英で野球をやろうと思ったのは白河の関越えを達成したかったから。改めて優勝を実感した」。
参加した表郷スポーツ少年団の矢吹滉さん(12)は仙台育英の選手からバットを強く振ることを教えてもらったという。「練習から手を抜かずにバットを振り、将来は仙台育英のように甲子園で活躍したい」と意気込んだ。(滝口信之)