イチローさん、進学校の新宿高で「臨時コーチ」 都心の立地に驚きも
元大リーガーのイチローさん(49)が27日、東京・新宿高で「臨時コーチ」として選手たちを指導した。一昨年の智弁和歌山高への指導を機に始まった取り組みで、26日からの2日間、選手と一緒に汗を流した。都立の進学校である同高は小学生らへの普及活動をしており、イチローさんがそれに関心を示し、指導が実現した。
新宿駅から徒歩数分の同高を訪れたイチローさんは、その立地に目を丸くした。「グラウンドから(新宿高島屋の)グッチのロゴが見えるところある? 都会ですね」
この日はマネジャーを含む15人の部員の前でフリー打撃を披露し、外野の守備や走塁練習では手本を示した。突然の訪問に緊張気味だった選手たちも次第に表情が和らぎ、「肩を強くするには?」「打撃で頭の位置が動かないようにするには?」などと質問攻め。イチローさんは実演を交えながら丁寧に答え、「投げるのも、打つのも、走るのも、すべての動きで体の力を抜くことが大事」などと指導した。
最後は、選手たちが泥だらけになるまでノックを浴びせ、「この2日ですごく成長した。今後も劇的に成長する可能性がある。期待しています」と激励した。
今年創立100周年を迎えた同高は、例年100人前後が国公立大に進学する。甲子園に出場したことはないが、2018年から野球教室を開き、小学生や幼稚園児らに競技の楽しさを伝えてきた。
主将の中沢志弥(ゆきや)は「先輩たちが積み上げてきた努力がこういう形で還元されて感謝しかない。今回学んだことを小学生たちに伝えていくことが自分たちの使命」と話した。