「ディズニーならいつでも…」広陵の強打者は修学旅行より神宮の頂点
(19日、明治神宮野球大会・高校の部準々決勝 広島・広陵6―2東京・東海大菅生)
注目の強打者、広陵の真鍋慧(けいた)に特大の一発が飛び出した。
七回裏。先頭で打席に入ると、初球の内寄りの直球を完璧に捉えた。白球は大きな放物線を描き右翼席へ。
「直球を張ってミスしないで一発で仕留めることができた。とても良い感覚で、良い角度で当たった」
納得の表情で、高校通算48号を振り返った。
チームは今夏の全国選手権広島大会で優勝候補筆頭に挙げられながら、3回戦で英数学館に1―2で敗れた。
真鍋は九回2死二、三塁と一打逆転の場面で中飛に倒れた。
悔しさをバネにさらに練習に打ち込んだ。中井哲之監督(60)が「飛距離が明らかに伸びた」と評するほどの成果が出た。
今、打席で意識しているのは高い打球だ。
これまではライナー性の当たりが多かったが、「フライならOK」の意識で打球に角度をつけることにこだわっている。
中国大会では本塁打は出なかったが、成果は徐々に出始めている。この日の三回に中堅手の敵失を誘った打球も滞空時間の長い飛球だった。
相手右翼手がほとんど動けなかった七回の本塁打は理想通りの打球だろう。
明治神宮大会と日程が重なり、修学旅行に参加できなかった。
「ディズニーはいつでも行けるけど、神宮は高校で2度しか行けないので」と意に介さない。
昨年は準優勝に終わった。
「神宮の悔しさは神宮でしか返せない」
力強さを増し、初優勝へとチームを引っ張る。(安藤仙一朗)