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「色んな人の顔浮かんだ」大逆転に詰まった王者の意地と東北への思い

2022年11月19日15時29分

朝日新聞DIGITAL

 (19日、明治神宮野球大会・高校の部準々決勝 宮城・仙台育英5―4沖縄尚学)

 王者の意地だった。

 東北代表として譲れなかった。

 4点を追う九回。今夏の全国選手権覇者・仙台育英の反撃が始まった。

 先頭の7番浜田大輔が左前安打で出塁。1死後、9番尾形樹人(みきと)の左越え二塁打で二、三塁とし、敵失で1点を返す。

 なお一、三塁から2番山田脩也が右中間へ適時二塁打を放つと、もう勢いは止まらない。

 続く湯浅桜翼(おうすけ)の中前2点適時打で同点とし、なお1死二塁で斎藤陽(ひなた)が左打席に入った。

 ここまで4打数無安打の4番打者。そのうち3度は得点圏に走者を置いていた。

 「内容の悪いアウトが続いていた。この打席で打たないと、正直やばいと思いました」

 緊張で顔がひきつる。須江航監督(39)から伝令が送られた。

 「顔が暗いぞ。しっかり笑顔で自分らしく振ってこい」

 このひと言に「救われました」と斎藤陽。思わずにこっと笑った。

 1ボールからの2球目。それまで手を焼いていた沖縄尚学の右腕・東恩納蒼(あおい)の低めに沈むツーシームを中前にはじき返し、サヨナラ勝ちを決めた。

 「めちゃくちゃうれしかった」。とびっきりの笑顔で仲間が待つ輪に飛び込んでいった。

 今大会、チームは優勝を目標に掲げる。

 自分たちの実績のためだけではなく、「東北代表」という責任を背負っている。

 今大会で優勝したチームが所属する地区は「神宮大会枠」として、来春の選抜大会で1枠が増える。現状で東北の一般選考枠は3。仙台育英が優勝すれば4枠となる。

 須江監督は、東北勢悲願の全国制覇を遂げた夏の甲子園が終わってから、変化を感じているという。

 「夏以降、東北の高校野球が伸び盛りだと感じるんです。練習試合などで東北の指導者や子どもたちと話をすると、『次は自分たちもやってやる』という気持ちが伝わってくるんです」

 「だから、なんとか選抜の出場枠を1枠増やしたい。1校でも多く東北の学校が選抜に出場できれば、きっとまた近いうちにどこかが優勝できると思うんです」

 今夏の全国制覇は、東北の人たちが連帯感を持って、切磋琢磨(せっさたくま)してきたからこそ遂げられた、との思いが須江監督にはある。

 0―4で迎えた九回の攻撃前。敗戦がちらつき、申し訳ない気持ちになったという。

 「東北のいろんな人の顔が浮かびました」

 選手たちも同じだ。主将の山田は言う。

 「東北は一丸で戦っている、という思いがある。簡単に負けるわけにはいきません」

 王者のプライドだけではない。

 東北への思いが詰まった大逆転劇だった。(山口裕起)

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