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難しい全国制覇後のチームづくり 窮地で思い出したのは 高嶋仁の目

2022年11月19日14時08分

朝日新聞DIGITAL

 ■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 (19日、明治神宮野球大会・高校の部準々決勝 仙台育英5―4沖縄尚学)

 夏に全国制覇した後のチームは難しいんです。

 選手が入れ替わってすぐに秋の大会が始まる。並行して国体もある。

 メンバーの一部が残ったとしても、打線のつながりとか守備のコンビネーションなどが違ってくるものです。

 智弁和歌山は選手の数も少なく、2000年に全国選手権で優勝した翌年は春、夏とも甲子園に出られませんでした。

 昨夏の全国制覇の後も秋の県大会準決勝で敗れ、今春の選抜出場を逃しています。

 その点、仙台育英はバッテリーや1番中堅手の橋本航河君、2番遊撃手の山田脩也君、4番右翼手の斎藤陽(ひなた)君らの柱が残っています。

 投手に加え、捕手や二遊間のセンターラインがしっかりしているのは、勝てるチームの条件と言えます。

 東北大会もきっちり優勝してきました。

 ただ、今大会初戦となったこの試合での八回までの打撃は良くなかった。

 みんな「おれが打ったる」と引っ張りにかかっていました。

 投球から目を切るのが早く、体が開いている。

 左打ちの斎藤陽君も途中までは4打数無安打でした。

 八回無死二塁のチャンスでは三邪飛。体がライトスタンドの方を向いてしまっていました。

 今夏の甲子園で優勝した時はみんな体を開かず、バチンと間を抜くような打球を打っていましたね。

 ようやく、それが出たのが九回の攻撃です。

 1死一塁から左打ちの9番尾形樹人君が左越え二塁打で好機を広げました。敵失を挟んで1死一、三塁から右打ちの2番山田君が右中間に適時二塁打を打ちました。

 ともに引きつけて逆方向に打ち返しました。

 3番の湯浅桜翼(おうすけ)君もセンターへの同点適時打で続き、最後は斎藤陽君が球を呼び込んで、中堅左へサヨナラ安打を打ちました。

 見事でしたね。

 九回に一挙5点で逆転サヨナラ勝ち。こんな試合ができるのは、やっぱり力があるからです。

 球を見極めて逆方向に打とう、と須江航監督の指示があったと思います。

 中堅から反対方向へ、鋭く、低く。

 この打撃で、仙台育英はこの夏、優勝したんですよ。

 新チームに多く残る、その経験者たちが土壇場で、甲子園での打撃を思い出したのではないでしょうか。

 全国制覇後のチームづくりはうまくいっているように感じます。

 沖縄尚学もいいチームです。

 経験豊富な仙台育英の投手陣から12安打を放った。中堅から逆方向へきっちり打ち返していました。

 最後はバッテリーの攻め方が外角一辺倒になってしまうなど、少し詰めの甘さが出たように思います。

 修正して選抜大会に出てきてほしいです。(前・智弁和歌山監督)

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