6回7K無失点 エースの安定感 新庄投手
29日、秋季中国地区高校野球大会1回戦(ぶんちゃんしまなみ)、益田1―6鳥取城北
「朝の目覚めが良く、いい緊張感で入れた」。そう笑顔で振り返った鳥取城北の先発新庄空(そら)君(2年)。6回無失点、7三振を奪う好投でチームを鳥取県勢唯一のベスト8に導いた。
最速141キロという直球が立ち上がりから走った。一回に2三振を奪うと、二回からはもう一つの決め球のフォークも決まり出す。三回は3者三振に仕留めた。「甘く入らなければ、今日のボールは通用する」と捕手の河西華槻(はづき)君(同)と確認し合ったという。
直球が武器の半面、これまでは力みや緊張から四球で走者をためるなどして痛打されることもあった。この日は六回に初めて先頭打者を出したが、後続を打ち取るなど、大林仁監督は「今日は修整できていた場面もあった」とエースの成長を感じ取った。益田の屋敷硬司監督を「新庄対策で練習してきたが、打てなかった」と悔しがらせた。
普段の練習では、ワンバウンドになるような低いボールを投げ続けることを徹底しているという。球数が100球に近づいたこともあり、六回を終えて降板したが、試合の流れを相手に渡さないエースらしい安定感。「より強い相手の時こそ、自分のピッチングを出せるかどうか」と準々決勝への意気込みを口にした。(清野貴幸)