米子東の捕手で主将、木下啓吾君 秋季中国地区高校野球大会
【鳥取】28日、秋季中国地区高校野球大会(ぶんちゃんしまなみ)、米子東1―5広陵
5点を追う八回、米子東は1死一、二塁の好機。打席に入った木下啓吾君(2年)は外角直球を逆らわずに振り抜いた。打球は狙い通りライト前へ。この日2本目の安打が適時打となり、4番の責任を果たした主将は一塁上で喜んだ。チームにとって唯一の見せ場となった。
捕手としてリードしたエース後藤和志君(同)は立ち上がりの2回を難なく抑えたが、三回に先頭からの連打と四球で無死満塁とされ、連続犠飛で2点の先制を許す。「内角を攻め切れている」と木下君は感じていたが、強豪相手に主導権を握られる苦しい展開になった。
五回には守備の乱れが失点につながった。ライトへの飛球を右翼手の大武千翔(ゆきと)君(同)が落球。二塁打となったが、太陽が目に入ったための不運だった。対策のサングラスをしていたが、「相手も同じ環境。言い訳できない」と紙本庸由監督。
広陵の5安打に対し米子東は4安打。数字だけでは推し量れない実力差が、スコアの差に表れたことを痛感させられた。木下君は「足りない部分をこの冬に改善し、可能なら再戦したい」と雪辱を誓った。(清野貴幸)