18年ぶり東北大会出場の田村 エースで主将で4番が健闘 高校野球
(10日、東北地区高校野球大会1回戦 田村2―7山形城北)
七回に4点を失い、7点差に。三つ目のアウトを取ると、田村のエース石川蓮也(2年)は、ベンチで涙が止まらなかった。「コールド負けは自分のせいだ」と責めた。しかし、その裏、2死三塁から代打橋本柊(2年)が内野安打で1点を返し、コールドを防いでくれた。
石川は「仲間がつないでくれた。100%以上の力を出そう」と誓い、マウンドに上がった。八、九回と続けて三者凡退に抑えた。
今夏の福島大会で背番号11の2番手投手として53年ぶりの4強に貢献。新チームでは、エースで4番、主将を務める。大友研也監督は「1年生中心のチーム。経験のある石川に柱になってほしい」と理由を話す。
主将就任後は、練習試合でも勝てない日々が続き、「潰れそうだった」(大友監督)。そんな時、石川はいつも笑顔で練習に取り組んでいた3年生の姿を思い出した。「笑顔で、楽しくやらないと、後輩もついてこない」と考えを改めた。すると、チームも勝利を重ね、秋では、18年ぶりの東北大会出場を勝ち取った。
この日は、走塁ミスや失策などが重なり、序盤からリードを許し、敗れた。石川は「チームとしては守備の強化、個人的には直球の質を上げたい」と冬の課題を話し、球場を後にした。(滝口信之)