健大高崎2年ぶり6度目の頂点
第75回秋季関東地区高校野球大会群馬県予選(県高野連主催、朝日新聞社など後援)で、健大高崎が2年ぶり6度目の優勝を決めた。2日、小倉クラッチ・スタジアム(桐生球場)であった決勝では、初優勝を狙った明和県央を1―0で振り切った。両校は22日から埼玉県で開催される関東大会に出場する。関東大会の成績は、来春の選抜大会の出場校を選ぶ判断材料になる。
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健大高崎らしい「好走塁」が光った。
0―0で迎えた七回1死三塁。三塁走者の佐々木貫汰(1年)は「本塁に突っ込み、1点を奪う」と決めていた。
打席には代打の堀江大和(2年)。空振りが少なく、ゴロを打つのがうまい。佐々木は「ライナーで併殺になることもない」。迷いはなかった。
5球目。堀江が外角よりの球にバットを出すと、佐々木は本塁へスタート。打球は低いゴロとなり、前進守備の二塁手がつかんだが、本塁ではなく一塁へ送球。ゴロが転がった瞬間、三塁走者が本塁に突っ込む「ゴロゴー」で奪った決勝点だった。
近年は強力打線が目立つ健大高崎だが、伝統の走塁は健在だ。今年のチームは、前チームから登板経験豊富なエースの小玉湧斗(2年)や加藤達哉(2年)ら投手力が高く、失点は計算できる。新チームになってからは「1点をもぎ取る走塁練習」に力を入れてきた。
佐々木は「健大高崎らしい点の取り方ができた。これからも、攻める走塁を意識していく」。堀江は「走塁は打撃より確実性が高い攻撃。足を絡めた攻撃は健大高崎の原点です」と力強く話した。(吉村駿)