常葉大菊川が常葉大橘を破って優勝 秋季高校野球静岡県大会
第75回秋季東海地区高校野球県大会(県高校野球連盟主催)の決勝が2日、草薙球場であり、常葉大菊川が常葉大橘を破って優勝した。3位決定戦では加藤学園が知徳を下し、東海大会出場を決めた。東海大会は今月22日から同球場などで予定されている。
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「4番として、思い切って一発打つ」。五回表、先頭打者として打席に立った常葉大菊川の鈴木叶選手(2年)は初球を振り抜いた。打球は風に押し戻されながら、左翼方向へ。相手守備のほころびを見逃さず、一気に三塁を陥れた。
「自分たちの分までがんばって、甲子園に行ってくれ」。今夏の静岡大会の優勝候補に挙げられながら敗退した3年生の言葉が、いつも胸にあった。夏の大会では、期間中に寮内で新型コロナウイルスの感染が拡大。エースや主将を欠いたまま4回戦の静清戦に挑んだ。鈴木叶選手も捕手として出場したが敗れた。
新チーム発足から、「今度は自分が守備を引っ張る」と決意し、練習を積み重ねた。投手と積極的にコミュニケーションをとって、精神的に支えた。打撃では引退した3年生が投げてくれるボールで、速球への対応を学んだ。
この試合の五回表は、三塁から生還して先制。相手投手のテンポの良い投球に苦しむチームに流れをもたらし、勝利につなげた。東海大会で優勝すれば、春の選抜大会にも大きく近づく。「課題をつぶして、負けないチームを作ります」。3週間後の舞台を見据えた。(魚住あかり)