春夏優勝校が初戦で対戦 仙台育英監督「やっぱり日本一は大阪桐蔭」
栃木国体の高校野球(硬式)が2日、栃木県の宇都宮清原球場で開幕し、1回戦で今春の選抜で優勝した大阪桐蔭が今夏の全国選手権を制した仙台育英(宮城)に3―1で競り勝った。大阪桐蔭の右腕・川原嗣貴(しき)が被安打7、9奪三振で完投した。大会は8チームが出場。ほかの1回戦の結果は、聖光学院(福島)6―4九州学院(熊本)、国学院栃木6―5近江(滋賀)、下関国際(山口)8―6高松商(香川)。
■川原が好投
春の王者の大阪桐蔭か。東北勢悲願の頂点に立った仙台育英か。
国体の1回戦で実現した春夏の甲子園優勝校対決で、大阪桐蔭のエース川原嗣貴(しき)が意地をみせた。188センチの長身から140キロ台中盤の直球でぐいぐい押し、無四球で9奪三振。1失点で完投し、「絶対に抑えてやると、強い気持ちで投げられた」と汗をぬぐった。
夏が過ぎ、一段と成長した。チームが敗れた下関国際(山口)との準々決勝は登板機会がなかったが、9月のU18(18歳以下)W杯で日本代表に選ばれると、フォームを見直した。投げる時にひじをやや下げることで制球が安定。銅メダル獲得に貢献し、世界のベストナインに選ばれた。その制球力の高さは、帰国後の投球練習で西谷浩一監督を驚かせたほどだ。右腕は「春夏連覇はできなかったけれど、最後は優勝して終わりたい」と力を込めた。
一方、仙台育英の須江航監督は唇をかんだ。2018年の監督就任時から「打倒・大阪桐蔭」を掲げてチームづくりをしてきたからだ。「やはり日本一のチームは大阪桐蔭。投げるのも打つのも、この1球というところでの精度の高さはさすがだった。しっかり反省して次につなげたい」と話した。(山口裕起)