鳥取城北が3年ぶり制す 秋季県高校野球
秋季鳥取県高校野球大会(県高校野球連盟主催)は最終日の1日、どらやきドラマチックパーク米子市民球場で決勝があり、鳥取城北が米子松蔭に競り勝って3年ぶり11度目の優勝を果たした。3位決定戦では米子東が倉吉北を下した。来春の選抜高校野球大会の足がかりとなる秋季中国地区大会は28日から広島県尾道市と三次市で始まり、上位3チームが県代表として出場する。
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1点先制された直後の六回裏、鳥取城北は2死一、二塁の好機を迎えていた。「自分が打てば、絶対流れが来るはず」。打席に入った石黒尚君(1年)は冷静に打てる球を待った。相手左腕エースの中前篤朗君(同)は変化球の制球と切れがいい。真ん中に来た直球を狙い打つと、打球は左翼席へ。一振りで試合をひっくり返す主砲の3点本塁打だった。
五回まで両チーム無得点。鳥取城北は併殺を喫するなど中前君に要所を締められ、守備の乱れも相次いでいた。六回にその中前君に先制打を浴び、試合の主導権を失いかねない展開だった。結果を恐れないようノーサインで打たせたという大林仁監督は、「石黒はうちのチームで唯一大きいのが打てる。期待通りだった」と満足そうに話した。
身長180センチ、体重81キロの堂々とした体格を生かし、石黒君は1年生ながら新チームで4番を任されている。たたきつける打撃を意識し、低いライナー性の打球が飛ぶようになったと手応えを感じている。それを証明するような大舞台での一発だった。
県王者として臨む中国大会に向け、「苦しい試合になると思うが、勝ちにこだわった野球をやりたい」と意気込んだ。(清野貴幸)