米国戦は雨で継続試合に、エース山田が意地の18球 U18 W杯
高校日本代表が出場している野球の第30回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)は17日(日本時間18日)、米・フロリダ州で決勝ラウンド(R)第3日があり、1次リーグB組2位の日本はA組1位の米国と対戦し、日本が3―2とリードしている三回途中で雷雨のため試合が中断した。継続試合が適用された。
この日の試合前に、日本の決勝進出は消滅した。日本は継続試合後、決勝を挟んで3位決定戦に臨む。継続試合で勝てば再び米国と対戦し、負ければ韓国と顔をあわせる。
日本は一回、内海優太(広島・広陵)の左前適時打で1点を先行。二回に2点を奪われて逆転を許したが、直後の三回に無死満塁から伊藤櫂人(かいと)(大阪桐蔭)の左翼線への2点二塁打で逆転に成功した。なお無死満塁としたところで雷雨のため試合が中断。そこから雨が激しくなり、継続試合となった。
エースの意地だった。
二回に逆転され、なお無死満塁のピンチ。ここで、日本の背番号1、山田陽翔(滋賀・近江)が救援に向かった。「絶対に抑えてやる」。先頭を浅い右飛に打ち取ると、次打者を二ゴロ、最後は得意のツーシームで中飛に抑え、拳を突き上げた。
雪辱の18球だった。
決勝ラウンド初戦の韓国戦に先発したが、制球に苦しみ、二回途中6失点でKOされた。チームは大敗し、「投げる球がなかった」。
自信を失いかけたが、それから2日で修正してみせた。
フォームを見直し、左肩の開きを抑えることで制球が安定した。「少しの意識でだいぶ変わった」。気迫あふれるいつもの表情も戻ってきた。
流れを引き戻すと、その直後の三回にチームは逆転。なお無死満塁としたとろで雨で試合が中断し、継続試合が宣告された。
「主将なのに自分だけがのれず、もやもやしていた。やっと、少しは貢献できるような投球ができたかな」
ただ、満足はしていられない。「まだ試合は終わっていない。次、打たれたら意味がないので、しっかり投げたい」と気を引き締めた。(フロリダ州サラソタ=山口裕起)