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気まぐれな天気にも連続ナイターにも負けず 球児たちフロリダで奮闘

2022年9月15日06時30分

朝日新聞DIGITAL

 強い日差しが照りつけていたかと思えば、突然、激しい雨に見舞われる。突風が吹くことも――。

 野球の第30回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)に出場している高校日本代表は13日(日本時間14日)、1次リーグ5試合を終えた。

 大会が行われている米フロリダ州は、1年を通して温暖だが、空模様は気まぐれだ。

 連日、慣れないナイターで試合をする選手たちは、様々な表情をのぞかせる天候に振り回されながらも、1次リーグを4勝1敗の2位で突破。15日から決勝ラウンドに臨む。

 12日のオーストラリア戦。気温30度を超えるなか、午後7時開始予定の試合に向けて、球場脇のグラウンドでノックや打撃練習をしている時だった。

 いつのまにか上空を雨雲が覆い、雷を伴ったどしゃ降りに襲われた。スコールだ。

 試合開始は1時間遅れ、その間、選手たちはテントの中で待機するしかなかった。

 気持ちは切らさない。

 1番打者の浅野翔吾(香川・高松商)は「一度高まった気持ちを落ち着かせて、いつ試合が始まってもいいように準備をしていた」。

 先発の生盛亜勇太(あゆた)(沖縄・興南)も「雨は沖縄でもよく降るので」と冷静だった。椅子に座って、マウンド上でのイメージを膨らませていたという。

 試合は午後8時に始まった。浅野は一回に左前安打で出塁し、先制の本塁を踏んだ。生盛は2回を4奪三振、無失点と好投。10-0で5回コールド勝ちした。

 初戦となった9日のイタリア戦は雨で試合開始が1時間遅れ、五回終了時にも雨で約1時間中断した。

 翌10日も、午前中の大雨の影響でメキシコ戦が予定されていた球場へ向かうバスの出発時間が遅れた。

 天候のせいで、予定はコロコロ変わる。

 生活スタイルも日本にいたころとは正反対だ。

 1次リーグの日本戦は初戦をのぞく4試合が午後7時からのナイターに組まれている。

 練習時間が決まっているため球場入りは午後4時ごろ。それまではホテルで準備をする。

 攻守の要である3番打者で捕手の松尾汐恩(しおん)(大阪桐蔭)は「午前中は部屋でストレッチをしたり、プールで体をほぐしたり。昼間に寝ることもあり、すっかり夜行性になりました」と笑う。

 全寮制の大阪桐蔭では、早寝早起きが当たり前だった。いまはベッドに入るのが午前0時を回ることもあるそうだ。

 渡米2日前の3日にメンバー変更で急きょ招集された左腕の吉村優聖歩(ゆうせふ)(高知・明徳義塾)は「遅れてきた分を取り戻さないと」。

 今夏の全国選手権時に73キロだった体重は、負けた後、実家の熊本に帰省しているうちに68キロまで減った。

 体重を戻すために、筋力トレーニングに加え、ホテルの部屋でもピザを食べるなどして増量に励んでいるという。

 大会は9日の初戦から18日の決勝までの10日間で9試合の過密日程だ。

 日本との13時間の時差に加え、今までに経験のないナイターでの連戦。

 選手たちの疲労の色も濃くなっていくが、それぞれの調整法で試合に臨んでいる。

 8月28日に始まった国内合宿から2週間が過ぎ、チームの一体感も日に日に増している印象だ。

 13日の1次リーグ最終戦は、2019年の前回大会王者の台湾に2-9で大敗し、選手たちは雪辱に燃えている。

 松尾は言う。

 「僕たちは日本の高校球児の代表。どんな状況でも全力でやるだけです」

 前回大会で日本は5位に終わった。初の頂点へ向け、大会は佳境に入る。

 雨にも負けず、時差ボケにも負けず。たくましく戦っていく。(フロリダ州サラソタ=山口裕起)

 ■日本代表の成績と今後

【1次リーグB組】

9日○6―0イタリア

10日○4―1メキシコ

11日○5―4パナマ

12日○10―0豪州

13日●2―9台湾

(日本は2位で突破)

【決勝ラウンド】

15日~17日 A組の1~3位と対戦

【3位決定戦・決勝】18日(日本時間19日)

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