なぜ聖光学院が? 東都開幕戦で補助員 感じた刺激と課題
福島県内で初めて開幕した東都大学野球には、3日間で約2万5千人の観客が駆けつけ、トップレベルのプレーを見守った。3日の試合では、今夏の全国高校野球選手権大会で4強入りした聖光学院の選手たちがボールボーイやグラウンド整備など補助員を務め、試合を支えた。
3日に県営あづま球場であった開幕戦で補助員を務めたのは、今夏の甲子園で好投をみせたエース佐山未来選手や、捕手として5試合に出場した山浅龍之介選手などベンチ入りした選手を含む3年生13人だ。
なぜ聖光学院の選手らが補助員を務めたのか。
東都の試合では通常、ベンチ入りしない大学生の選手が補助員を務める。今回は「大学生のプレーを間近で見てもらい、福島県の強化につなげてほしい」(東都大学野球連盟)との考えで地元の中高生に依頼があり、3日は聖光学院が、4日は郡山市の中学生チームが補助員を務めた。
3日の試合では、聖光学院の選手がボールボーイやグラウンド整備を務めていることが試合の合間に紹介されると、集まった観客からは拍手が送られた。
聖光学院は補助員を出すにあたって、「大学で野球を続ける選手たちに、大学のレベルを感じてほしい」(横山博英部長)と、3年生に希望を募った。
選手たちは大学生たちのパワーとスピードあふれる試合にふれ、大きな刺激を受けた。佐山選手は「大学生の140キロは高校生と違い、圧力を感じた」。山浅選手も「140キロを超える直球に、木製バットでしっかり対応していた。上のステージで野球をやるためには対応が必要だが、今のままでは対応できない」と危機感を口にした。
多くの選手は大学でも野球を続ける予定だ。佐山選手は「思ったより投手戦が多く、自分でも活躍できる可能性があると感じた。まず体作りから取り組み、来春に備えたい」と話した。(滝口信之)