打って走って、リードオフマン浅野翔吾の活躍で快勝 U18W杯開幕
高校日本代表が出場する野球の第30回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)は9日(日本時間10日)、米・フロリダ州で開幕。1次リーグB組の日本はイタリアとの初戦に6―0で勝利した。
一回に1番浅野翔吾(香川・高松商)が左翼線二塁打で出塁すると、犠打で1死三塁とし、松尾汐恩(しおん)(大阪桐蔭)の右犠飛で先制。二回は打者11人の攻撃で5安打を集め、一挙5点を奪った。
1次リーグは6チームずつ2組に分かれて総当たりで行う。上位3チームが決勝ラウンドに進む。
■「浅野はさすが」
理想的な先制パンチだった。一回、先頭の浅野翔吾は初球から2球連続で空振りしたが、この積極性が相手に重圧を与えた。4球目の浮いた変化球をとらえ、左翼線への二塁打に。次打者のバントで三進後、3番松尾汐恩(しおん)の浅い右飛で迷わずスタート。「50メートル5秒9」という足で先制の本塁へ滑り込んだ。
二回は1死満塁から低めの球にバットを折られながらも左前へ。2点適時打とし、「良いところに落ちてくれました」。
今夏の甲子園で3本塁打を放ち、高校通算本塁打は67本。そんな強打者が最も大切にしているのは「出塁率」と「ここぞの1本」だ。「チームに勢いをつけられる選手になりたい」
米国での食事があわず、甲子園大会中に90キロあった体重は87キロに減った。それでも、「逆に体にキレが出てきた」と前を向く。馬淵史郎監督も「浅野はさすが。初回の1本でチームが乗っていけた」。チャンスをつくり、勝負強い。頼もしいリードオフマンだ。(フロリダ州サラソタ=山口裕起)