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聖光学院の監督へ届いた1本の電話 「最弱世代」が4強入りするまで

2022年8月23日20時26分

朝日新聞DIGITAL

 聖光学院の夏の甲子園出場が13大会連続で途切れた昨年夏。敗戦後、斎藤智也監督は「二度と行けない舞台」とまで思った。だが敗戦の翌日に入った1本の電話が、再起を促す。

 「野球をやって負けたんでしょ。それならいいじゃないですか」

 横浜(神奈川)の元監督渡辺元智(もとのり)さんから、こう励まされた。2人は横浜と聖光学院を率い、練習試合をしてきた仲。甲子園では春夏2回対戦し、いずれも聖光学院が敗れていた。

 横浜は松坂大輔投手(元西武など)を擁し、1997年秋から翌98年の国体まで公式戦44連勝を記録。渡辺さんが斎藤監督に贈った言葉は、横浜が99年の選抜大会で敗戦後、学校関係者に謝罪した際に言われたことからの引用だった。

 ほかにも智弁和歌山の高嶋仁・前監督などから連絡をもらい、斎藤監督は「甲子園に行くことが使命になっていた。甲子園で勝つようにしなければダメだ」との思いを強くした。

 「歴代5本の指に入る弱い世代」(斎藤監督)と呼ばれた今年のチームは前評判を覆し、3年ぶりの夏の甲子園出場を決めた。

 「このブロックを勝ち抜けば、聖光学院の復活ののろしを上げられるな」

 今月3日の抽選会後、斎藤監督は主将の赤堀颯にこう声を掛けた。監督就任以来感じたことのないほどの伸びしろに、手応えがあった。予感通り、甲子園で選手たちは躍動した。

 1回戦は全国を2度制覇した日大三(西東京)に勝利し、2回戦で横浜と対戦した。試合は五回に赤堀が二盗し、併殺の間に得点して逃げ切った。実はこの盗塁はノーサイン。相手左腕の牽制(けんせい)の癖を選手たちが分析した成果だった。斎藤監督も「自分たちで研究して敢行するあたりが頼もしいチームだなと思った」と振り返る。

 聖光学院は神奈川県勢に5連敗していた。斎藤監督は「一昔前から(渡辺さんに)薫陶を受け、お世話になった。ある意味、特別の勝利」とかみしめた。

 これで波に乗り、3回戦で敦賀気比(福井)、準々決勝で九州学院(熊本)を破り、県勢51年ぶりの4強入りを果たした。

 聖光学院はそれまで、甲子園では堅守に加え、スクイズなどの小技を駆使して勝ち上がってきたが、8強止まりだった。その理由を福島県高野連の木村保理事長は「攻撃の部分で課題があった」と分析する。

 だが、今年のチームは甲子園で3本塁打を放ち、磨いてきた攻撃力が甲子園でさらに進化した。斎藤監督は「昨年末は全国で勝つイメージがなかった。20年以上やっていて初めて実感するぐらいの伸びしろ。彼らのこだわりや頑張りがこういう結果をもたらした」とたたえる。

 県勢51年ぶりの決勝進出をかけた仙台育英(宮城)戦は、二回に大量11失点を喫し、敗れた。聖光学院はスタメン野手が8人に固定され、投手陣は最速140キロ超の速球を持つのはエース佐山未来のみ。佐山は準決勝では球速が落ち、疲労を隠せなかった。一方、仙台育英は140キロ超の投手5人を擁し、継投策を駆使。ベンチ入り18人全員で全国制覇をつかみ取った。

 斎藤監督は「これからは継投が重要。投手の強さを作り上げ、育て上げることが問われる」と、選手層のさらなる強化を目指す。

 新チームは甲子園のメンバー18人中4人が残る。2年生で4番を務め、準決勝で最後の打者になった三好元気は誓う。「3年生がたどり着けなかった日本一を絶対に取りたい」

 東北勢初の優勝は仙台育英が果たした。来年こそは深紅の大優勝旗が福島に渡ることを期待したい。(滝口信之)

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