福島勢51年ぶりの4強 聖光学院は初 準決勝は仙台育英と
ついに初の4強進出――。第104回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)で福島代表の聖光学院は18日、春夏通じて6回目の準々決勝で、九州学院(熊本)に10―5で勝利した。福島県勢の準決勝進出は、第53回大会で準優勝した磐城以来51年ぶり。この日は一回に1点先行を許すも、直後に打者一巡の猛攻で一挙5点をあげて逆転。四回にも打者9人で4点を奪い、粘る相手を振り切った。19日は休養日で、準決勝は20日の第1試合(午前9時開始)で仙台育英(宮城)と対戦する。甲子園で福島勢と宮城勢が対戦するのは初めて。
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「聖光野球の歴史を変えてくれた」――。一塁側アルプススタンドは、初のベスト4進出が決まった瞬間、歓喜に包まれた。
野球部員約80人からなる応援団は、ブラスバンド部が不在の分、黄色いメガホンを懸命にたたいて選手に力を送った。九回、相手の最後の打者が三振に倒れると、応援団長を務める小暮透和君(3年)は跳び上がって喜びを表現。「ベスト4に進めてすごくうれしい。自分たちも全力で応援するので頂点へ突き進んでほしい」と笑顔を見せた。
この試合で4打点と躍動した4番三好元気選手(2年)の双子の弟、力生君(2年)は「先制されても動じずに逆転する自分たちの野球ができているのがすごい。チームや選手を誇りに思う」と話した。
2020年にコロナ禍で福島大会が中止となり、県高野連の独自大会で優勝したチームで三塁手だった佐藤銀時さん(19)は「緊張で体が硬くなりがちな準々決勝でも自分たちのペースでプレーできているのが頼もしい。この先も不動心で進んでほしい」と語った。
2019年の選手権大会に主将として出場したOBの清水正義さん(21)は「努力に裏打ちされた、勝利への強い思いがプレーに出ている。ベスト4進出はすごいことだが、聖光学院野球部の目標は、あくまで日本一。このチームなら、やってくれるはず」と期待を込めた。(斎藤徹)