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明秀日立が貫いた「一人一役全員主役」 監督「打つべき手は打った」

2022年8月17日14時49分

朝日新聞DIGITAL

 【茨城】夏の甲子園に出場した明秀日立は15日、3回戦で惜敗した。甲子園で「打ち勝つ」野球を実践する難しさと、全員で勝利をつかむ喜びの両方を味わった夏だった。

 ベスト8をかけた3回戦の相手は、夏の甲子園29回出場の強豪・仙台育英(宮城)だった。5人の好投手を擁していた。

 この試合の序盤の戦いぶりに、明秀日立が一丸となってめざした野球と、勝利への執念が詰まっていた。

 二回1死一、二塁。武田一渓君(3年)が外角のスライダーをすくい上げるように中前へ運び先取点。三回の好機には、石川ケニー主将(3年)がバットの芯に当てて右前安打を放った。いずれも2ストライクに追い込まれてから、バットを短く持ってコンパクトに振るなかで生まれた適時打だった。

 持ち前の強打も健在だった。四回に武田君が本塁打。石川君、猪俣駿太君(3年)、伊藤和也君(3年)も、この試合で二塁打を放った。

 試合後、石川君は「みんな、甲子園で試合をしたなかで一番、バットを振れていた」、金沢成奉(せいほう)監督(55)は「打つべき手を打って負けた。ある意味でやりきった感がある」と語った。

 機動力や小技も駆使した。三回には安打で出塁した本坊匠君(3年)が2死から二盗。石川君の適時打につなげた。六回1死満塁の好機では平野太智君(2年)が、きっちりとスクイズを決めた。

 守りでは、左腕の石川君と右腕の猪俣君の再三の継投で何度もピンチをしのいだ。石川君は昨秋以降、けがでマウンドに立てない時期が続いたが、夏の甲子園には両投手が万全の状態で臨んだ。金沢監督は「甲子園では逃げたら負け。2人の状態も最高だったから強気の継投を続けた」と語る。

 チームのスローガンは「一人一役全員主役」だ。全員で役割を分担しながら戦う姿も、随所で見られた。

 10日にあった鹿児島実との初戦。0―1で迎えた七回1死走者なしの場面で、代打高橋遼君(3年)が左前安打で出塁し、緑川貴香(たかよし)君(3年)が代走に送られた。続く伊藤君が右前安打を放つと、緑川君は全力で三塁に走った。

 さらに右翼手が打球の処理に戸惑っているのを見た三塁コーチの河合尚樹君(3年)が腕を回して本塁に走るよう指示。緑川君は一気に滑り込んだ。苦しい展開で同点に追いつく貴重な1点だった。

 緑川君は「六回まで一塁コーチとして、相手のエースや守備の癖を見ていたことが生きた」、河合君は「冷静に相手の守備を観察できていた。練習では常に走者のタイムを計っていたから、自信を持って回せた」と振り返る。

 ピンチの時には、山中竜雅君(3年)がマウンドに駆けつけ、「気持ちを切らさずに、落ち着いていこう」と監督の指示を伝えた。山中君は学校で生徒会長を務めている。「野球部の怖いイメージ」を変えたくて会長になったという。「野球部が甲子園でがんばっているところを見てもらえれば、少しずつイメージも変わるのかなと思う」

 金沢監督は、こう総括した。「一人ひとりが役割を果たせた攻撃が何度もあった。負けてしまったが、いい面もたくさんあった甲子園だった」

 夏の甲子園での県勢の初戦突破は2016年以来、6年ぶり。さらなる高みをめざすという目標は、後輩たちに引き継がれる。二塁手として、何度も好捕を見せた柴晴蒼(せいあ)君(2年)は「甲子園は自分の持っている力を最大限出せる場所だった。また戻ってきたい」と話した。(西崎啓太朗)

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