悩みに悩んだ聖光学院の3番・安田がHR 監督「努力が報われた」
第104回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)で福島代表の聖光学院は16日の3回戦で、福井代表の敦賀気比に8―1で勝利し、6年ぶり5回目のベスト8進出を決めた。一回に先制すると、同点の三回には3番安田淳平(3年)の2点本塁打で勝ち越す。14安打8点の猛攻をみせた。守っては先発佐山未来(3年)、小林剛介(3年)の継投で逃げ切った。福島県勢はこれまで福井県勢と甲子園で3回対戦して全敗していたが、初勝利を飾った。17日は休養日で、準々決勝は18日。聖光学院は第4試合(午後3時半試合開始予定)で九州学院(熊本)と初のベスト4をかけて戦う。
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(16日、第104回全国高校野球選手権大会3回戦 聖光学院8―1敦賀気比)
勝負を決めたのは、1回戦後に悩みに悩んだ3番打者の本塁打だった。
同点の三回。1死一塁で聖光学院の3番打者安田淳平(3年)が打席へ。3球目。狙っていなかったスライダーに、体が自然と反応した。打球は浜風をものともせず、右翼席に飛び込む勝ち越しの本塁打に。安田は二塁を回ると、大きく右腕を上げ喜んだ。「浜風で入らないと思って走った。信じられなかった」
安田は福島大会決勝でも試合を決める3点本塁打を放った。しかし、今大会の1回戦では4打数無安打。2回戦までの4日間、練習でも打てずに苦しんだ。「いろいろ考えたが、自分の強みは積極的に振っていくこと」と原点に戻った。練習では、体の開きを修正するために遅い球を遠くに飛ばす練習を繰り返した。
2回戦では第1打席に変化球をたたき、先制の適時打を放つなど練習の成果が出ていた。
この日も初回に変化球を捉え、先制点の適時打を放った。「1、2打席とも狙っていない変化球に反応できた。1回戦で課題をもらったことが大きかった」と安田。斎藤智也監督は「安田の努力、悩みが報われて結果が出た。監督としてもうれしい」とたたえた。(滝口信之)