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「大事な初戦なのにエースじゃない」 斎藤佑樹さん感じた起用の変化

2022年8月17日11時00分

朝日新聞DIGITAL

 ■斎藤佑樹 未来へのメッセージ

 高校野球の変化を実感させられる試合を見ました。第104回全国選手権大会の2回戦で仙台育英が10―0で鳥取商を破った一戦です。

 ともにこれが初戦でした。仙台育英・高橋煌稀(こうき)、鳥取商・山根汰三(たいぞう)の両投手が先発しました。2人とも背番号が2桁の2年生でした。

 「大事な初戦なのに、エースじゃないんだ」というのが率直な印象でした。

 五回終了まで0―0。素晴らしい投手戦を目の当たりにし、自分の受け止め方が古かったことに気づかされました。

 六回以降、両チームとも継投に出ました。

 特に仙台育英の高橋投手は5回を投げ、被安打は1。好投していた投手をすぱっと代えたことにも、その後、救援に出てきた4投手を含め、全員が140キロ超の速球を投げることにも驚かされました。

 結果的に10失点しましたが、鳥取商の3投手も力強いボールをしっかりと操っていました。もともと継投策を強みに鳥取大会を勝ち抜いたチームだといいます。

 1週間500球以内の投球数制限が導入されて2年が経ちます。

 僕が出場した2006年の第88回大会を調べてみると、49の代表校のうち初戦を1人の投手が完投したのは17校でした。

 今大会の初戦での完投は14校です。

 数字だけを見れば大きな差はありませんが、現在は、勝つための方法としての継投策がより定着しているように見えます。

 選手が集まりやすい私学だけでなく、鳥取商のような地方の公立校にも浸透している点にも、それは顕著に表れているように思います。

 試合中、仙台育英のブルペンも気になりました。

 準備をする投手がブルペンの捕手とよく会話をかわしていました。

 プロ野球ではブルペン担当の投手コーチらが的確に指示を出してくれます。

 しかし、高校野球のブルペンには選手しかいません。自分たちで試合展開を見ながら肩をつくるペースを考えなければいけません。

 継投の重要性が増すに連れ、試合展開を読む力も控えのバッテリーには求められるのです。

 仙台育英の無失点リレーは、そんな準備力のたまものでもあったのだと思います。

 仙台育英は3回戦も4投手の継投で勝ち上がりました。

 大会は準々決勝に入ります。このあたりで気をつけてほしいのが、「慣れ」です。

 16年前の僕は、準々決勝の日大山形戦で気の緩みが出てしまい、1点リードで迎えた六回に2失点しました。

 五回終了時のグラウンド整備の後は流れが変わりやすい場面です。

 普段は一球一球、より気をつけて投げていたのに、このときはどこか試合展開に身を任せてしまったような感覚がありました。相手の気迫にも押されました。

 負けられないトーナメントで作ってしまった隙。救ってくれたのは仲間です。八回に4得点して逆転してくれました。

 この経験から、いま甲子園でプレーする選手の皆さんに意識して欲しいことは二つ。

 どんな場面でも、一球一打、ひとつひとつのプレーに全力を尽くすこと。

 そして、ミスを恐れすぎることなく、仲間を信じて攻める気持ちを持ち続けること。

 頂点にたどり着くヒントになれば、と思って記します。

     ◇

 第88回大会(2006年)の優勝投手で元プロ野球選手の斎藤佑樹さん(34)が、高校野球情報サイト「バーチャル高校野球」のフィールドディレクターとして活動しています。取材を通じて野球界やスポーツ界の未来を考えます。(バーチャル高校野球フィールドディレクター・斎藤佑樹)

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