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富島・高橋主将、これが兄も見た景色 聖地で勝敗以上に得られたもの

2022年8月11日21時30分

朝日新聞DIGITAL

 (11日、第104回全国高校野球選手権大会2回戦 下関国際5-0富島)

 九回裏、5点を追う富島の攻撃。三塁側アルプス席の吹奏楽の演奏が力を振り絞る。最後の打者が三振で打ち取られ、高橋正道主将(3年)の甲子園は次打者席で終わった。すぐに立ち上がるとあいさつに向かった。

 門川町出身。富島が夏の甲子園に初出場した3年前、中学3年だった高橋君は同じ三塁側のアルプス席にいた。ベンチ入りした兄の信人さん(19)の応援のためだった。勝利は見届けられなかったが、「甲子園、楽しかったぞ」という兄の言葉に背中を押され、同じ富島に入った。

 親元を離れ、寮生活をしながら野球に没頭した。兄に憧れ、兄を超えようとした3年間。1年生の時からベンチ入りし、最後の夏は主将として迎えた。

 だが、宮崎大会2回戦後に体調不良でチームを離れ、戻ってきた決勝は伝令だった。チームは「主将を甲子園に連れていく」とまとまり、3年ぶりの出場を決めた。高橋君は関西入りしてから気持ちを切り替え、「出場できなかった悔しさを晴らす」と決意した。

 春も合わせ3回目の出場で、「甲子園で1勝」の悲願を胸に初戦に臨んだ。緊張から守備のミスが出て、左右の好投手の継投に打線はつながらなかった。

 自身も安打はなかったが、三回は相手のエラーを誘い出塁。五回には三塁走者として重盗のサインプレーで本塁をめざした。試合後、「悔しさしか残らなかった」と振り返ったが、最後まで逆転を信じてプレーできた。

 信人さんはアルプス席から後輩たちと一緒に応援した。「自分の代わりに夢を追って、一生懸命にプレーしてくれた。『お疲れさん』って言います」

 最後のあいさつで高橋君には笑顔もみえた。勝敗以上に得たものがあった。スタンドからの拍手や吹奏楽のリズム、芝生と土の感触。「甲子園は今までの球場とは全然違った。来た人にしかわからない。楽しくプレーできました」。兄が3年前に伝えてくれた「楽しさ」が理解できた。(平塚学)

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