初戦3発の鶴岡東打線と近江の好右腕の対決 12日の甲子園見どころ
第104回全国高校野球選手権大会の12日の見どころをお伝えします。
■一関学院×明豊
一関学院の右腕・小野涼介が、明豊打線をどう抑えるか。
下手投げの小野は緩い変化球を巧みに使い、110キロ台の直球を詰まらせる。1回戦では京都国際を相手に好投し、七回までは1失点に抑えた。力のある明豊打線を相手にも緩急は有効だ。中盤までリードを守って、速球派の寺尾皇汰につなぎたい。
好調な明豊打線といえども大振りは禁物。1回戦で計6安打した中軸の後藤綾太、竹下聖人、嶽下桃之介に好機を回して先手をとり、得意の継投で逃げ切る展開に持ち込みたい。
■愛工大名電×八戸学院光星
ともに1回戦では打線が好調だった。
愛工大名電は星稜の大型右腕・マーガード真偉輝キアンを序盤で攻略。コンパクトな振りで二回までに10得点し、快勝した。
八戸学院光星もコースに逆らわない打撃で、横手投げから140キロ台後半の直球を投げ込む創志学園の岡村洸太郎から7得点した。
となると、投手陣の出来が勝敗のカギを握る。
名電の左腕・有馬伽久は直球、変化球とも切れて安定感がある。好調な光星打線も大量点は望めないだろう。先発に7人いる右打者が、ストライクを取りに来る球を積極的に狙いたい。
■鶴岡東×近江
1回戦で3本塁打と好調な鶴岡東打線が、近江の好右腕・山田陽翔に挑む。
1回戦では2番の土屋奏人が2本塁打し、4番の前田夢翔にも一発が出た。12安打で12得点。しかし、山田から大量点は望めない。1回戦と同様に、バントで走者を進め、先手をとって継投で逃げ切りたい。3、4点の勝負に持ち込めば、勝機が見えてくる。
近江は早めに突き放して山田を楽にしたい。4番の山田の後ろを打つ石浦暖大、川元ひなたに長打が出れば、ビッグイニングをつくれる。
■海星×天理
好右腕対決。海星の宮原明弥は最速147キロの直球とカットボールを駆使して1回戦で8安打完封。天理の南沢佑音は長いリーチを生かしたスライダーを武器に、1回戦で7安打1失点完投を飾った。
右打者が多い海星は、外角球の見極めが肝心になる。見逃し三振はやむを得ないぐらいの徹底が必要だろう。反対に左打者が6人並ぶ天理は、内角に食い込んでくるカットボールをどうさばくか。
ともに守備も堅い。見応えのある攻防が展開されそうだ。