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地方大会決勝の完敗が原点 立ち直り甲子園へ 鹿児島実きょう初戦

2022年8月10日08時00分

朝日新聞DIGITAL

 4年ぶりに夏の選手権大会に出場する鹿児島実は10日、初戦を迎える。現チームの原点は、あと一歩で甲子園を逃した昨夏にある。「夏の借りは夏にしか返せない」。選手たちは宮下正一監督が発した言葉を心に刻み、1年間、甲子園をめざしてきた。

 鹿児島実は昨年、天国と地獄の両方を味わった。

 神村学園との準決勝は鹿児島大会史に残る死闘となった。2―5とリードされながら終盤1点ずつ返して九回、同点に。延長十回に神村学園に3点を追加されたが、その裏、一挙4点を奪い9―8で奇跡的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。宮下監督も「漫画みたい」と話したほどの激闘だった。

 決勝に向けて勢いづいたように見えたが、「慢心というか、もう甲子園というような雰囲気だった」と、ベンチ入りしていた駒寿太陽主将(3年)は振り返る。決勝の相手はライバルの樟南だったが、対戦成績が良かったこともあり、心に隙が生まれていた。

 「決勝で勝てなければ意味はない」。宮下監督はそう言って引き締めたが、結果は0―7の完敗だった。打ち合いとなった準決勝の大振りが修正できず、散発7安打と打線は沈黙した。

 「先輩と甲子園に行きたかったので本当に悔しかった」。藤田和真選手(3年)は、肩を落とす先輩の姿を次打者席から目に焼き付けた。その前年は新型コロナで大会が中止されており、「2年分の悔しい思いを今年の夏に返そうと誓った」と当時の思いを語る。

 「夏の借りは夏に」と宮下監督は言って選手を鼓舞し、夏一本にかけてチームをつくってきた。中心になったのが、現3年生で樟南戦でベンチ入りしていた駒寿主将ら6人だった。

 戦力がそろわず、結果が出ない秋や春も「昨年の3年生の思いも背負っているんだと全員で前を向いてひたすら頑張った」(駒寿主将)。最後まであきらめないよう終盤の粘りも意識して取り組んできた。

 この夏はノーシードからの挑戦だったが、1回戦で優勝候補の神村学園に勝つと勢いづいた。準決勝を延長戦で制すと、駒寿主将らが気合を入れ直そうと、カミソリで頭をそり上げ始めた。みんなも続き、気持ちを一つにして臨んだ大島との決勝だった。

 「決勝の舞台に立って勝つ」という目標はかなえたが、駒寿主将は通過点だと力を込める。「ここからがスタートライン。これまでやってきたように一戦必勝で目の前の試合に挑みたい」。宮下監督は「あとは気持ち。甲子園で思いっきり暴れてほしい」と背中を押す。

 鹿児島実は2回戦からの登場となり、10日午後1時、プレーボール予定。相手は選抜大会で大島を下した強打の明秀日立(茨城)だ。(仙崎信一)

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