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能代松陽チームの要は「いじられキャラ」 苦悩を経た笑顔

2022年8月9日08時00分

朝日新聞DIGITAL

 【秋田】第104回全国高校野球選手権の大会5日目(順調なら10日)に、聖望学園(埼玉)との初戦を迎える能代松陽。下級生からのヤジにも笑って応じるチームの「いじられキャラ」が椛沢心文(ここや)君(3年)だ。苦悩の時期を経て、笑顔で周囲を盛り上げている。

 「おなかが出てるぞ」「足が回ってないぞ。ちゃんと動かして」

 練習中、下級生から椛沢君へのヤジは恒例だという。身長171センチ、86キロの体格を「後輩が、めちゃくちゃいじってきます」と笑う。「みんなの雰囲気が良くなるから、良いのかな」

 クラスでは学級委員長の椛沢君。担任を受け持つ野球部の田村修部長は「おおらかで懐が深く、みんなから慕われる努力家。立派な子です」と話す。

 2年生ながら4番打者で出場した昨夏の秋田大会は、1回戦で秋田工に負けた。1点を追う九回、一打同点の好機に左中間へ放った大きな打球を好捕され、ダブルプレー。最後の打者になった。

 苦しんだのは新チームになってからだ。今年の春の県大会は、自分より活躍していた2年生にレギュラーを奪われた。「ただ結果が欲しくて、焦りと不安ばかり。打てなかったらどうしようと考えて後手に回る悪循環だった」と振り返る。

 それでも、チームでは明るい「いじられキャラ」のまま。「弱い部分を見せたくなかったし、自分のキャラとして、まじめな話がしにくかった」。周りに相談もできず、不安や悩みを抱え込んだ時期だった。

 この夏の秋田大会の少し前にあった練習試合。途中出場で打席が回ってきた。「ここで打てなかったら」と足がガクガクと震えたけれど、外角のスライダーに体が反応した。無我夢中で走ってタイムリー三塁打。最後の夏の出番をつかみ取った。

 背番号13で臨んだ秋田大会5試合のうち、決勝を含む4試合で先発出場。5番打者として、11打数5安打と優勝に貢献した。

 「写真を撮りながら、お父さん、泣いてたよ」

 決勝の日、母親からそう言われたことがうれしかった。

 今月2日に甲子園に出発するまでの間、選手たちは学校で練習を続けた。活躍が認められ、甲子園では背番号3に返り咲いた椛沢君も大きな声を出していた。周りの選手に笑顔が広がる。

 「椛沢君とか3年生が、下級生もやりやすい環境を作ってくれる。だから、自分たちも実力を存分に発揮できる」と2年生で4番を打つ斎藤舜介君。「上下関係のない雰囲気が、うちの強さの秘訣(ひけつ)だと思います」(北上田剛)

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