日大三島、攻守光る コロナ禍で奮闘したチームも 静岡大会振り返り
107チーム(109校)が参加した第104回全国高校野球選手権静岡大会は、今春の選抜大会に出場した日大三島が33年ぶり2回目の優勝を果たし、29日に幕を閉じた。優勝候補と目されたシード校が姿を消し、伝統校や公立校が躍進した今大会の熱戦を振り返る。
日大三島はエース松永陽登投手(3年)を中心とした堅実な守備と、好機を着実に得点につなげた打線が光った。松永投手は5試合で計40回3分の1を投げて失点9と好投。打線も勝負強く、決勝の静清戦は、六回表に四球を挟んで7連打、打者9人の猛攻を見せた。
準優勝の静清はエース久保陸弥投手(3年)が上手投げと横手投げを織り交ぜて好投。左腕・笹ケ瀬翔大投手(3年)が6試合すべてで継投した。17年ぶり2回目の優勝を目指したが、あと一歩及ばなかった。
昨夏の優勝校で第2シードの静岡は、準々決勝で掛川西に敗れた。それでも今春の東海大会からエースナンバーを背負う法月彰弘投手(3年)が粘り強い投球を見せた。
今春の東海大会覇者で第1シードの浜松開誠館は、初戦で静内龍之介主将(3年)が投打で活躍。三回から登板して好投、打っては5打数4安打を放ったが、昨秋の東海大会準優勝の聖隷クリストファーに敗れた。
シード校を破った掛川西、聖隷クリストファーはノーシードから勝ち上がった。両校とも準決勝まで進み、大会を盛り上げた。
掛川工は29年ぶりに8強入りした。3、4回戦では両試合ともサヨナラ勝ちを果たした。
新型コロナウイルスの影響による選手の欠場に悩まされたチームも多かった。城南静岡は選手17人が離脱する中で3回戦をコールド勝ちする健闘を見せた。
優勝候補の一角と目された常葉大菊川も新型コロナの影響で、エースや主将、監督を欠いたまま4回戦を戦った。4―11で静清に敗れたものの、五回裏には4点を返す底力を示した。(魚住あかり)