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プロ注目投手の投げ合い、名将の引退… 11日間の熱戦振り返る

2022年7月30日11時00分

朝日新聞DIGITAL

 第104回全国高校野球選手権新潟大会は、日本文理の3大会連続(中止の第102回大会を除く)12回目の優勝で幕を下ろした。笑顔あり涙あり、息をのむ投手戦があれば胸のすくような打撃戦も。強豪も、そうでないチームも懸命に白球を追った11日間を、選手や監督の言葉とともに振り返る。

 9日の開会式では、全選手による入場行進やブラスバンドの演奏が3年ぶりに認められた。コロナ禍になって3度目の夏。「あこがれの甲子園を目指すことができて感謝でいっぱいです」。選手宣誓で村上の主将伊藤佑真は「喜び、感動を私たちが野球を通じて発信するときです」と高らかに宣言した。

 2回戦で昨秋の県王者北越と対戦した新潟工。五回を終えて2―2の状況に「勝負になっている」と盛り上がるベンチで、同校を準優勝に導いた経験もある伊藤政人監督は「勝てると思ったら勝ちなさい」。定年退職を控え、これが最後の夏。「先生を甲子園に」と頑張った選手たちに「熱い夏をプレゼントしてもらった」と感謝した。

 中越は、新型コロナの影響で前回大会を辞退した先輩たちの思いも背負って戦った。帝京長岡との準決勝は初回からピンチの連続。それでも、エースの小幡拳志郎は「走者を背負ってからがうちの持ち味」。延長十二回に及ぶ投手戦の末、0―1で惜しくも敗れたものの、一球一球に気持ちを込めて206球を投げきった。

 3年生は自分たちのことを「だるま一家」と呼んだ。「失敗しても素早く起き上がり、そのたびに強くなる」という意味を込めた。そんな粘りを象徴するような一戦だった。

 初の決勝進出を果たした帝京長岡が昨夏の覇者日本文理に挑んだ頂上決戦も、両エースの投げ合いに。延長十一回、サヨナラ打で劇的な幕切れとなった。

 「よく戦った。野球人生は続くぞ」。プロ野球日本ハムなどで投手として活躍した芝草宇宙監督は試合後のベンチで、自らを慕い全国から集まった選手たちにそう声をかけ、一人ひとりと握手して回った。準決勝の181球に続き、この日も142球を投げたエース茨木秀俊は、涙をこらえきれなくなった。

 日本文理のエース田中晴也は整列してあいさつを終えた後、茨木に歩み寄った。「ありがとう」と伝えると、「頑張れよ」。81校71チームの代表として8月6日開幕の全国選手権大会に臨む。(友永翔大)

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