春全国16強の東海大静岡翔洋、創部の3人が挑む最後の夏 女子野球
【静岡】「3年間頑張ってきてよかったと思えるチームになった」
7月上旬、東海大静岡翔洋女子硬式野球部の斉藤美咲主将(3年)は、グラウンドで練習する選手らを見ながら話した。創部3年で、今年初めて、3年生が「最後の夏」を迎える。
同部は2020年、同好会として始まった。当初は斉藤主将のほか、中村めい選手(3年)、岡村妃菜選手(同)のわずか3人だけだった。
学校内の使っていなかった敷地の石拾いや草刈りをして、練習スペースを作った。3人で基礎練習を積み重ねる傍ら、オープンキャンパスなどで学校を訪れた生徒に手書きの手紙を渡したり、SNSで情報発信したりと、部員集めにも奔走した。21年に新入生28人が入部。正式な部に格上げされた。現在はマネジャー含めて61人が所属する。
下級生には小学校から野球を続けている経験者も多い。高校から野球を始めた中村選手は、「経験者の後輩が増えて、色んな視点でアドバイスをもらうことも増えた」と言う。3人の中で唯一の野球経験者だった岡村選手は力のある下級生の入部に焦りもあったと笑いながら、「チームで大会に出られるうれしさの方が大きい。悔いが無いよう、最後まで力を出し切りたい」と話す。
チームは、全国大会初出場だった21年の選手権大会で目標だった1勝を挙げ、春の全国大会ではベスト16入りするなど、着実に力をつけてきた。斉藤主将は言う。「ここまで大きくなるなんて思ってもいなかった。3年生がこの3人で良かったって思ってもらえるような試合がしたい」
61人に増えた部員で、目標の「笑顔で日本一」を目指す。(山崎琢也)