苦手な変化球も使って桐生第一を惑わす 常磐・金子君、納得の投球
20日、高校野球群馬大会3回戦、桐生第一4―2常磐
五回、常磐は1―2と逆転を許した。なおも1死二塁。マウンドへ向かった金子陽翔(3年)は、金子繁監督の言葉を思い出していた。「緩急を使え」。速球が持ち味で、変化球は得意ではない。
だが相手は強豪の桐生第一。父がOB、弟が1年生で在籍している。「出番がきたら、絶対に抑えてやる」。気持ちを強くした。
最初の打者に適時打を打たれたが、そこで緊張が解けた。130キロ以上の速球を軸に90キロ台のチェンジアップを織り交ぜ、相手打線を翻弄(ほんろう)。金子監督も「素晴らしい投球術だった」とたたえた。
背番号「1」の金子だが、大会2週間前に肩を痛め、2回戦にリリーフで2回を投げただけだった。だがこの日は自責点1に抑え、7三振を奪う力投。敗れはしたが「最後に納得のいく投球ができた」とさわやかな表情で話した。(杉浦達朗)