高崎商・横尾君、小柄な努力家が返した1点 監督「打つなら彼だと」
19日、高校野球群馬大会3回戦、健大高崎9―1高崎商
高崎商は強豪の健大高崎を相手に八回まで1安打。守っては本塁打2本を打たれ、九回表にも4失点。一方的な試合展開に見えたが、その裏に意地を見せた。
死球と安打で無死二、三塁。横尾大輔(3年)は打席に入った。この試合は無安打だったが、気にしないようにした。「やってやるぞ」。内角高めの直球を右前に打ち返し、一塁上で右手を振り上げた。
ベンチで仲間たちが歓声を上げて喜んでいる姿が見えた。堤悠輝監督は「彼なら打つと思っていた。公私ともにまじめで努力家」。試合は続く打者3人がフライに倒れ、終わった。
体重50キロとメンバーの中でも最も小柄。ウェートトレーニングをしても、体重はなかなか増えなかった。速球が来ると押されて打てない。克服するためにマシンを使った打撃練習を徹底した。「負けたことは悔しいけれど、力は出せた」。澄んだ瞳が輝いていた。(川村さくら)