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元星稜名将、小さな学校から描く「でかい夢」 高校野球の新たな役割

2022年7月14日19時05分

朝日新聞DIGITAL

 (14日、高校野球石川大会 金沢桜丘5―3門前)

 「この子はセンスがいいんや」「この子は肩が強いんよ」。監督として全国強豪校に育てた星稜(石川)の試合を見るときの表情とはひと味違う。選手を見る目が優しい。

 石川大会2回戦の門前―金沢桜丘を、山下智茂さん(77)と観戦した。門前は山下さんの母校。山下さんは門前がある輪島市から依頼され、今春から同校の野球指導アドバイザーに就任した。

 過疎化と少子化の影響もあり、門前は1学年約20人の小規模校。野球部員も昨秋は2年生7人、1年生2人、マネジャー1人の計10人しかいなかった。それが山下さんのニュースもあって、この春は1年生15人が入部。そのうち市外から来た6人が野球部寮に入った。清水晃大郎監督(34)と山下さんも一緒に生活する。

 山下さんは「主役は生徒と若くて熱心な指導者。ぼくはサポート役」と言いながら、グラウンドに出れば、つい熱も入る。「しっかりせんか!」と叱ったら、すねる生徒もいた。「星稜と違って、色んな子がいる。ぼくも毎日が勉強です」

 チームが4年ぶりに初戦を突破して迎えた2回戦。ミスも出て敗れたが、選手は最後まで粘りを見せた。清水監督は「野球好きの優しい子たちが戦う集団に成長した」と3年生をねぎらった。

 なにより、地域の人たちに応援される野球部になったと実感するという。元気に活動していると、練習や試合を見に来る人が増えた。「頑張ってね」と声をかけてもらえる。「門前の人たちに励まされ、選手もうまくなった」と山下さんも感じている。

 能登(地方)から甲子園へ――。

 「でっかい夢を追う中で、生徒や若い指導者が成長し、地域が活気づけばいいね。高校野球で町おこしです」と山下さんは語る。

 「あとは監督と生徒に話を聞いてあげて」。試合後は取材を受けることなく、球場をあとにした。=石川県立(安藤嘉浩)

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