1点を追う緊迫の投手戦、仲間盛り上げる雄たけび 大館桂桜・福田君
(13日、高校野球秋田大会 秋田中央1―0大館桂桜)
試合中は笑顔を絶やさない。「自分が笑顔でないと暗い雰囲気になるので」。ムードメーカーの大館桂桜の福田春輝投手(3年)は、三振を奪うたびにマウンドでガッツポーズして雄たけびを上げた。
1点を追う緊迫した投手戦。「仲間がきっと点を取ってくれる」。それまで自分が率先して仲間を盛り上げようと誓っていた。
失点は初回のみ。四球と自らの失策でピンチを招き、犠飛で1点を失った。しかし次打者のスクイズを外して一塁走者をアウトに。冷静にピンチを切り抜けた。投球も好調で、球速は終盤でも130キロ台を保ち、変化球の切れもあった。
春に調子を落としたが、フォームを修正して夏に間に合わせた。この試合8奪三振。「納得できる投球」と振り返った。
味方打線も、秋田中央のエース土田温人投手が得意とする低めの変化球、高めの直球にてこずりながらも、七回、安打を重ねて1死満塁の好機を迎えた。
だが、あと1本が出なかった。
「後輩に1点の大きさを伝えられた試合だった」。最後まで笑顔を絶やさずに語る福田投手を、高谷勉監督はこうねぎらった。「一番声を出して、必死になって、1年間チームを引っ張ってくれた。お疲れ様」(松村北斗)