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やんちゃな外野手が不動の1番打者に きっかけは挫折しかけた左打ち

2022年7月9日12時03分

朝日新聞DIGITAL

 【長野】松本第一の杣谷(そまたに)行志朗(3年)は、入学時とは見違えるほど変わった。見た目ではなく内面だ。やんちゃで謹慎を言い渡されていた外野手は、足を武器にした不動の1番打者に成長した。

 「1年生のころは授業中にふざけたり、提出物を出さなかったり。未熟だった」と田中健太監督(29)は杣谷をこう評する。生活態度で指導を受けることはしばしば、部活に参加できない謹慎状態になることが何度もあった。

 杣谷を変えたのは「試合に出たい」との思いだった。50メートル6・1秒の俊足。その武器を生かそうと、高校入学後に左打ちに転向した。だが、練習に参加しないため、スイングが体になじまない。2年の春ごろには、左打ちをやめようとした。

 それを止めたのはコーチの佐々木良輔部長(29)だ。杣谷の走力に光るものを感じていた。「勝負は3年の夏だよ」。結果が出ず、気落ちする杣谷を励ました。チームに右打ちが多いだけでなく、長所を生かして欲しかった。

 その言葉が杣谷に「刺さった」。なぜ松本第一に来たのか自問した。「とにかく試合に出たい」。遅刻しないことや課題の提出を徹底して生活面を見直し、心を入れ替えた。練習を重ねるうちに左打ちもなじんできて、野球がとにかく楽しくなってきた。「考えて練習すると、成果にできる」と分かったからだ。

 「燃え尽きるまで野球を頑張りたい」と思えるようになった。田中監督は「昨秋まで控えだった分、最後の夏にかける思いは強い」と話す。そしてこうも言う。「苦しい時期を彼なりに乗り越えた。今は不動の1番打者です」

 杣谷は「絶対に結果を残すんだ」と同校初の甲子園出場の立役者になるつもりだ。

     ◇

 サイドスローから繰り出す胸に食い込むような直球と、鋭く曲がるスライダーが持ち味だ。伊那北(長野県伊那市)の田中遥斗(3年)は、1イニングの中継ぎ登板に全てをかける。

 サイドスローに転向したのは3年生になってから。右の上手投げが多い投手陣の中で活路を見いだそうと考えた。同じサイドスローでプロ野球・巨人の守護神の大勢(たいせい、翁田大勢)投手が目標だ。

 これまで度重なるケガに見舞われ、苦しい時期を過ごした。1年時には肩痛、昨年は背中や指も痛めた。「このまま投げられないんじゃないか」と不安になることもあった。地道にリハビリに取り組み、投げられるようになってからも全力で練習を続けた。「ものすごくひたむきで、練習中も一番声を出す選手」と黒岩耕平部長(36)は認める。

 田中学歩監督(37)もその様子を見てきた。ワンポイントでの起用を念頭に「自分が生きる道を探せ」と発破をかけた。監督が田中にチャンスを与えたいと期待するのには理由がある。自身も伊那北時代は「代打の切り札」だった。当時の自分の境遇を重ね、「チームには目立たなくても、ひたむきに頑張る選手の存在が必要だ」と語る。

 練習試合では任せた1回を2死までこぎつけたが、そこから四球で走者を背負った。続投を命じられ、その後の打者を打ち取った。今夏の長野大会では、田中が打者を三者凡退に打ち取り、ベンチに帰ってくる姿が監督の目には浮かぶ。

 今春の県大会4強の伊那北は、田中の他に4、5人の投手を擁する。春は登板機会はなかったが、「六から八回に自分が投げて、びしっと抑えたい」。自分に出番が回ってくるのを虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。=敬称略(高億翔)

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