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「やめても、仲間だからな」 捕手に励まされ、選んだ学生コーチの道

2022年7月4日15時01分

朝日新聞DIGITAL

 (3日、高校野球福岡大会、九州国際大付10-0大和青藍)

 体重80キロ余りで指導者のような風格に、木製ノックバットがひときわ細く見えた。試合前の大和青藍のノッカーを務めたのは、背番号16の学生コーチ、北原隆昇(たかのり)君(3年)だ。

 選抜8強の強豪校との対戦を前に、表情は硬めだったが、いつも通り「前に出て来い」と仲間たちを鼓舞した。「気持ちよく試合に入ってほしい」との思いを込め、一球一球丁寧に、捕りやすい球を送った。

 コーチになりたくて入部したわけではない。1年の冬に股関節に違和感が出て、あぐらをかけなくなるほど痛むようになった。

 手術をしないリハビリ療法を選べば、9カ月かかると医師に言われた。「けがをした自分に居場所はない。チームの荷物じゃないか」。退部が頭をよぎった時、クラスメートでもあった捕手の平本将斗君(同)に言われた。「やめても、仲間だからな」

 そこまで言ってくれる仲間に背を向けていいのか。何かしらの形でかかわりたい――。顧問に勧められ、学生コーチの道を選んだ。

 ノックだって簡単ではない。細いバットは芯で球をとらえなければすぐ折れてしまい、自腹で2本購入した。昨秋の大会は外野までフライを打てず、ゴロを転がした。今春の大会では空振りをして相手チームに笑われたこともあった。部員からも初めは「下手だから」と嫌がられたが、やがて居残りノックを受けるようになった。

 この日、ノックの球をすべて仲間に届け終え、試合開始。今度は伝令や三塁コーチとして、「落ち着いていこう」「(安打)1本でも(腕を)回すよ」と声を届け続けた。

 試合後、北原君は「本当に楽しかった。3年間続けて良かった」とすがすがしい表情だった。平本君も「北原は元気のいい大和青藍の象徴。あいつがいなければ一体になれなかった」と語った。(上月英興)

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