「ペーロンのようなバスター」で適時打 投手揺さぶる相生の伝統打法
(2日、高校野球兵庫大会 須磨東4―1相生)
相生打線には、伝統の打法がある。「バスター」だ。バントの構えで打席に入り、投手が投げる瞬間に一歩前へ踏み出す。藤岡裕介監督いわく「相生の伝統、ペーロンのように櫂(かい)をこぐ」打法で相手投手を揺さぶり、ボールを前でさばく。
これが功を奏したのが三回裏2死二塁の好機だ。藤田航輝選手(3年)が初球の低めのスライダーをうまく拾い、左前へ。1点差に迫る貴重な適時打を放った。実は、小学生のころにもバスターに取り組んだことがあった。「自分の原点。相手の流れをうまく切れた」
四回以降は打線がうまくつながらなかったが、藤田選手は「やりきった。悔いはないです」と充実した表情で球場を後にした。(宮島昌英)